金髪ガングロメイクで授業参観へ
母親としてはどうだったのか──。周囲の話によると、息子に甘く、行儀が悪いぐらいでは叱らなかった。小学校の授業参観では常に悪目立ちする母親だったという。
「上下ジャージーのラフすぎる格好で来たり、と思えば背中がざっくり開いたワンピースで来たり。髪の毛は金髪で、茶色のファンデーションを塗って地黒に見せていた。
歯が抜けているなど見た目は老けていたが、化粧はずいぶん昔に渋谷で流行ったガングロメイク。保護者からは陰で“ヤマンバ”と呼ばれていました」
とPTA関係者。
髪の毛は金髪だけでなく、青や紫、ピンクなどの差し色をコロコロと変えた。無職なのにパチンコ店に出入りしていたとする目撃情報も。近寄りがたい存在だったことは間違いないようだ。
サバをよんでも年相応に見え、「お世辞にも美人とはいえない」(前出の女性)容貌の久美子容疑者は、どのようにして被害者を思いのままに操るようになったのか。
よく自宅に出入りしていた岡田さんに対しては、「ここで生活したらいいやん」と、同居をすすめたとされる。
行き場のない若者を誘い込み、支配する
久美子容疑者と付き合いのあった男性はこう話す。
「もともと姉御肌の気質があって、常識的な大人とは異なる価値観が若者に親近感を持たせるのだろう。親を心配させるような行動をしても咎めないし、悪いことをしても注意しない。
居心地がいいから、久美子容疑者の家には口コミで若者が集まってきた。男性だけでなく、中には子連れの若い女性もいた。非常識な価値観を“寛容”と錯覚させていたのではないか」
近隣住民によると、事件現場のアパートには夜な夜なバイクにまたがった若い男が10人ぐらい集まり、深夜遅くでも近所迷惑も考えずに大声でしゃべり続けていたという。
行き場のない若者や悩める男女を甘い言葉で誘い込み、弱点を握ると容赦なくむしり取る。そんな支配の構図が透けて見える。
容疑者宅の窓から投げ捨てられたように散らばるビールの空き缶やカップ麺の容器、スナック菓子の袋、栄養ドリンクの瓶……。
食べられず、やせ細ってゆく岡田さんはどんな思いで見ていたのだろう……。