■毎日同じ時間に起きると長寿&脳力UP

 健康のためには早寝早起きが大切だとよく言われるけれど、安定した生活リズムを作れていれば、仮に昼夜が逆転していても何ら問題ないといいます。

「早い遅いよりも、睡眠の時間帯がコロコロ変わることのほうが脳や身体への負担が大きく、健康面で悪影響を及ぼします。中でもいちばん大切なのが起床時間。例えば仕事で就寝時間が遅くなった場合、多少寝不足でもいつもと同じ時間に起床するほうが健康のためになります」(繁田先生)

 起床時間を一定に保つと、脳の働きも活発になり、いいことずくめ。

 さらに、「質の悪い睡眠を続けていると、生活習慣病のリスクを高める可能性があります。夜の睡眠を深く安定させるには、適切な仮眠を取り入れることが効果的。ポイントは、仮眠時間を15分〜20分間程度にすること。1時間も眠ってしまうと夜の睡眠が浅くなり、かえって悪影響。同じ理由で遅い時間の仮眠もおすすめできません。仮眠は遅くとも15時までに」(繁田先生)

■血圧の大敵は睡眠不足だった!

 高血圧は心筋梗塞や脳梗塞、脳出血にも直結する健康長寿の大敵。血圧を下げるために、まずは食事の塩分を控えることをすすめられるけれど、実は睡眠不足も高血圧の大敵なのだそう。食事を外食やコンビニ食に頼ることが少なくない現代、減塩食を徹底するのはかなりハードルが高いもの。

「血圧の大敵は実は睡眠不足。解消すれば、自然と血圧が下がってきますよ」(坂本昌也先生)

がん関連の新常識

■日光浴はマイナス要素のほうが多い

 ビタミンDは骨の成長や筋力強化に大きな役割を果たすことに加え、最近では免疫向上や糖尿病予防などの役割を担うことが判明した、健康長寿に欠かせない栄養素。日光浴がビタミンDをつくると言われるが……。

「ビタミンDは日光浴でなくサプリメントなどで補うことも可能です。むしろ紫外線の照射量が増加傾向にある今の時代、紫外線による皮膚がん発症の可能性を考えると弊害のほうが多いくらいです」(北原雅樹先生)

■豪快な人ほどがんに負けない

 多くのがん患者の治療にあたってきた三澤健之先生は、同じ病状でも神経質な人とおおらかな人では後者のほうが生存率が高くなるケースが多い、と指摘する。

「数字によるエビデンスがあるわけではないものの、小さなことにこだわらず、豪快で楽観的に治療できるほうが病気に強いことは間違いない」(三澤先生)

 とはいえ、性格を変えることは難しいし、自分の身体の状態を不安に思うのは当然。でも、心配するのは医者の役目と割り切って、できるだけ「病気は治る」「薬は効く」と信じて治療を受けることも、病に打ち勝つための大切な要素といえそう。