伝説? 黒歴史? 物議を醸した作品
視聴率が悪いからといって、決して作品が面白くないわけではないとふたり。
しかし、さすがにこれは……と思う作品について聞いてみると、
「やっぱり『純と愛』ですかね。これでもかと不幸が連続して、見ていても“私たちの人生、素敵だった”という気持ちには、とうていなれませんから(笑)。
朝から悲劇を突きつけられて、終わり方もヒロインの夫が昏睡状態で……。なんだか哀しい現実ばかり突きつけられたという感じでした」(木俣さん)
夏菜が演じる純の就職したホテルが吸収合併などで売却の危機に。帰省した宮古島でホテルを開業しようと奮闘するも、夫の愛が脳腫瘍で倒れたうえに台風でホテルが甚大な被害を受けて……。と不幸のオンパレード。『純と愛』については田幸さんも思うところがあるようで、
「純が一本気なんですけど、“まっすぐなヒロインて怖い”と思わせてくれました(笑)。行く先々でトラブルを巻き起こし、ヒロインの存在がまさに“トラブルメーカー”。
脚本を担当された遊川和彦さんの作品は、好き嫌いがはっきり分かれますが、彼の作品の鬱展開というか、暗黒時代の頂点がこのドラマだと思います。
もともと朝ドラの脚本を受けたときも“朝ドラをぶっ壊す”とおっしゃって、本当にぶっ壊した作品ですよね(笑)。ある意味“伝説”の作品です」
“ストーリーが暗い”といえば、ワースト7に入っている本仮屋ユイカがヒロインの『ファイト』も負けてない、と田幸さん。
緒形直人が演じる、ヒロインの父親が経営する工場が取引先の不正に巻き込まれ、閉鎖。父親は自殺未遂を起こし、精神的に不安定になった酒井法子が演じたお母さんは浮気しそうに……。
「ヒロインも足のケガで大好きだったソフトボールができなくなり、やがて不登校に。ここまで不幸なのに、不思議とみなさんの記憶に残っていないんですよね。脚本は『僕の生きる道』シリーズの橋部敦子さんなんですけど、もうちょっと話題になってもよかったのに、と思います」
そして、“コケた朝ドラ”に見られる条件について、
「『天花』はヒロインの藤澤恵麻さんが小顔ですごく可愛かったんですけど、作中で描かれた米作りや、ヒロインの保育士という仕事の描写が薄っぺらいんです。
保育士が天職と言うんですけど、子育てもわかっていない若いヒロインが、お母さんたち相手に上から目線で説教をする。しかもストーリーが米作りや保育士よりも恋愛寄り(笑)」