森高千里が“テヘヘ”
Yさん「マスコミの人数的にも、NHK側もコントールできる範囲内だったんでしょう」
Hさん「いまはネット媒体がめちゃくちゃ多いですからね。5年くらい前でもカメラと記者合わせて50人くらいいましたが、いまは100人は超えてると思います」
Yさん「そんなに? 多い! そうそう、昔はIさんっていう、扇子を持って仕切ってる名物の広報マンがいたんだよね」
Tさん「ベテランのね」
Yさん「その人が毎回、その年に話題になった人を撮れるチャンスを用意してくれるわけ。例えば、'97年に当時ブレイクしたGLAYが初出場だったんだけど、同じ函館出身の大先輩である北島(三郎)さんの楽屋に挨拶に行くところを撮らせてくれたりとか。“今からここでこんな写真が撮れるぞ〜”って案内してくれて、構えてるとドアの向こう側から(ボーカルの)TERUが現れる……みたいな(笑)」
Hさん「そこまでやってくれたら、本当にありがたいですね」
――リハーサルの取材はどんな感じなんですか?
Tさん「僕のときは(本番が行われる)NHKホールのメインステージのほかに、別のスタジオでもリハーサルをやってて。そういうところも取材させていただきました」
Hさん「ホールのメインステージで、サウンドチェックっていうのをやるんですよね。その年の売れっ子が集まるので、忙しくて本人が来られない場合もありますが。
基本的には、ホールに立たないと実際の音の“返り”とかわからない。今はイヤモニ(イヤーモニター)だったりもするけど、その……本当に歌ってる人たちはシビアにチェックするんですよ。口パクの人は適当な感じですけど(笑)。バンドとかも希望があればドラムとかちゃんとチェックするけど、やらないってことはエアーなのかなって。
あと、びっくりしたのが、うまい方が歌うと、記者やスタッフの人から自然と拍手が沸き起こる。それはすごいなって思いました」
Tさん「ナマ歌を聞けるのは、本当に贅沢だよね。リハーサルの思い出といえば、森高千里さん。彼女、顎関節症になってコンサートをしばらく中止してたの。その復帰が紅白だったから、マスコミはみんな注目してたんだけど、時間になっても本人がリハに来なくて。記者同士で来ないね〜って話してたら、隣で“来ませんねぇ”って。誰かと思ったら森高さん本人だった。テヘヘって感じで。
もう若手の男性記者はそれだけでメロメロになって(笑)。それくらい、歌手と記者も近かったんだよね」