今年で第71回目を迎えるNHK紅白歌合戦。その華々しいステージの模様を届けようと、毎年多くの報道陣が取材に訪れる。そんな紅白取材について、ベテランの記者に話を聞くと、みな口を揃えて言う。「昔の取材は、楽しかった」と――。舞台裏ではいったいどんなことが起きていたのか?(紅白の舞台裏で松田聖子が!工藤静香が!GLAYが!NHKと歌手と記者の「円満」時代から続く)
・Hさん:カメラマン。初めての紅白取材は2000年。直近8年連続で現場へ
・Tさん:週刊誌記者として1994年から3年間取材。当時はまだ新人記者
・Yさん:スポーツ紙の女性記者。1990〜2000年まで10年間、紅白を取材
「中居くんのひと言で変わる」
――'90年代、'00年代はじめというと、ジャニーズで人気があったのはどのグループですか?
Tさん「やっぱりSMAP。当時からジャニーズの中でも別格だった。囲み取材(各アーティストを取材陣が囲って取材すること)のときも、SMAPの取材陣の数は圧倒的に多かったよね。彼らもまだ若くてワチャワチャしてたんだけど、マネージャーさんが“(囲み取材を)やるよ!”って声をかけると、中居くんが“じゃぁ、やりましょう”って。その中居くんのひと言で顔つきがみんな変わって、5人全員ビシッてするみたいな」
Hさん「僕が取材に行きはじめた2000年くらいはまだ取材陣の数も今より少なくて、記者と歌手本人の距離も近かった。だからSMAPの囲み取材のときに若手の記者が隅っこに追いやられてたりすると、中居くんが“もっと中に入んなよ!”って肩を寄せてくれたり」
Tさん「中居くんの人柄が出てるね(笑)」
Yさん「SMAPと言えば、彼らはTOKIOの城島(茂)さんと仲がいいんだよね。リハーサルのときに、トイレから一緒に出てきたり、雑談しているのをよく見かけた。当時は、リハや囲み取材が自分の番じゃないときに、そうやって歌手の人たちがあちこちにいて、おしゃべりしてたりするんだよね」
Hさん「内心は緊張しているのかもしれないけど、歌手のみなさん本当に楽しそうなんですよ。囲み取材のときも、和田(アキ子)さんがいつもゴキゲンな感じで“どうせ、書かないんでしょう〜?”って言いながらもいろいろしゃべるみたいな(笑)。よく言ってませんでした?」
Tさん「言ってた(笑)。当時は“アッコ激怒”とか“アッコ、爆笑!”とかで記事が立つ時代だったからね」