肝心の効果はどうだろう。
「コロナワクチンを接種した人と、していない人の感染率を比較したところ、接種した人の感染率は接種していない人よりも9割以上低かった。
当初、WHOは感染率を5割低下させるなら有効なワクチンだと想定していたのですが、実際にはそれよりもはるかに高い有効性でした」
ワクチンの効果が半年もたない可能性も
だが、その効果が持続する期間はわかっていない。
「現時点では新型コロナウイルス感染後、体内にできる抗体は半年ほど効果が続くと言われています。ですが、ワクチンで作る抗体は感染の結果できる抗体よりも効果の持続力が弱いのが一般的です。コロナワクチンの効果が半年もたない可能性もゼロではないのです」
インフルエンザのように季節性はなく、年間通して流行する新型コロナウイルス。感染防止には最低でも年2、3回の接種が必要になるだろう。
気になるのが費用だが、初回は国が全額負担する。ただし、2回目以降は数千円ほど実費がかかる可能性も。
もうひとつの懸念はコロナワクチンで重症化を防げるかどうかだ。
「インフルエンザワクチンは接種しても最大2人に1人は感染します。ただし、その場合、ワクチンを接種している人は入院するほど重症化するリスクは低くなります。ですが、コロナワクチンが重症化のリスクをどの程度減らせるのかはわかっていません」
過去には、開発中のワクチン接種後にウイルスに感染し、症状が重症化する副反応が報告された事例もある。今のところ、コロナワクチンでその副反応は報告されていないが、未知の部分は多い。
コロナワクチンの副反応や効果に人種差がある可能性も考えられる。
「実は、今わかっているデータの多くはアジア人以外の被験者によるものです。もちろん日本人でも臨床試験はしていますが、データが少ない」