世間の反応に戸惑った整形後
その後は再びソープランドに勤めつつ、憧れの服装やメイク、やりたいけど恥ずかしいからできなかったというバンドやアイドル活動などの夢を次々に叶えていった。
「ほんとに人前に出ることに抵抗がなくなりました。反面、仕事面では男性のあまりの態度の違いに人間不信になりました(笑)」
しかし、世間の反応はいいほうにばかり変わるわけではなかった。
「人生でいちばん頑張ったことが整形だから、隠したくない」
そう思ってツイッター上で整形のビフォーアフターを公開したことから、火の粉をかぶることになる。
「1000人だったフォロワーが一気に2万人くらいまで増えて、ちょっとした恐怖でした」
毎日ネットで知らない人に褒められたり、けなされたりすることは、想像以上のダメージだった。
「勤めているお店をバラされたり、悪口を書かれたり、実家のことまで書かれて……。家から出られなくなり、ベッドの上で1日中、過ごしてました。自殺の方法をネットで検索したりとか。いま思い出しても泣けてくる……。
そんなときに親身になってなぐさめてくれたのが、初めて連れて行ってもらったホストクラブのホストだったんです。色恋というより、精神安定剤みたいなものでした」
人にいろいろ言われたとしても、彼女はまじめに自分の努力で美貌を勝ち取った。そして、その自信があった。
「整形が悪って思ってる人はまだまだ多いんですよね。でも、血反吐吐いて整形費用貯めて頑張ってきたんだから、これ努力じゃなかったらなんなの? って思います。ズルいって言う人もいるけど、天然美人のほうがズルいじゃないですか。それに、私が整形しようがしまいが、そういう人たちの人生には1ミリも関係ないんで!」
「他人は関係ない」という信念は、美容整形にも現れている。男性の目線を気にするような手術……例えば豊胸などは、彼女にとっては必要のないものだという。
「よく男性からは『モテたいから整形したんでしょ』とか言われるんですよ。あと『どうして胸は大きくしないの?』とかって。私は自分が可愛くなりたいから整形したのであって、胸なんか大きくしたら着たい洋服が着られなくなる。お前らのためにやってんじゃない! って思いますね(笑)」
家から一歩も出られなかった時期を乗り越え、AV女優としてもデビューし、自伝を出版するまでに至った彼女。勝ち取った美貌で月に数百万円を稼ぎ、大好きな美容とお洋服、そしてホストクラブにつぎ込むインパクト抜群の生活を続けている。
「もう遊びに行くとかじゃなくて、まともに飲みもしないでお金を置いてくる、って感じになっちゃってますね。(担当のホストの)売り上げを負けさせたくないので」
現在は二重の修正と、顔面への脂肪移植を考えているそうだ。
「30歳になったら、また違う顔を目指したいなって思っています。
整形は……死にたいくらい容姿に悩んでる子にならひとつの解決策としてすすめるかも。誰にでもやりなよ〜、とは言いません。でも、女性がきれいになるのに年齢は関係ない! 自分の人生を他人にとやかく言われる筋合いはないから、やりたいことをとにかく諦めないで自由に生きていきましょうよ♪ 私の生き方を見て、どうか安心してください(笑)」
話題の整形美女は、覚悟の人であり、超・努力型の「全力投球でなりたい自分になれた人」だったのだ。
(取材・文/高松孟晋)