人気絶頂アイドルたちの秘密の前夜祭

 おりもは36歳で結婚し、41歳までジャニーズ事務所に在籍して、司会者やレポーターとして活躍した。

「クイズ番組の『ヒントでピント』や料理番組の『ごちそうさま』にレギュラーとして出演しましたね。『オールスター紅白水泳大会』には10年も司会で出演しました」

『水泳大会』はアイドルの登竜門的人気番組だった。

「僕はもともと選手として出ていて、そのころは五木ひろしさんや八代亜紀さんも水着で出ていたんですよ。僕が司会になると、アイドルばかりに。ひろみとか秀樹とか五郎がキャプテンやって、百恵淳子昌子の『中3トリオ』もいて、華やかでしたね」

 撮影現場の大磯ロングビーチを貸し切りにして前夜祭を行い、そのまま宿泊した。

「みんな忙しいんだけど、その前夜祭が楽しいから、どんなに夜遅くても来るんです。翌朝8時集合でも、朝方の5時まで、みんなでしゃべってる。普段は話せないし、恋心を持っている連中もいる。ここだけは自由な“空間”で、いい関係になったのを何人も知っていますよ。でも、ヤッくん秀美が結婚するとは思わなかったな……」

 とはいえ、本番は真剣勝負だったとも。

「トシに勝ちたくてマッチが水泳教室に通っていたというのは有名ですが、ひろみも秀樹も通っていましたよ。みんな本気だったんです。ただ、お笑いの人ですごく速い人がいると、“本気出さないで”って番組サイドが注意していたそう」

 女性タレントにとっても名前を売るチャンスだった。

「アイドルが水着姿で歌ってくれるなんて、それまではありえなかった。番組でいちばん輝いた女性として“フォトジェニック賞”をもらうと、それまで無名な人でもスターになれました。それくらい影響力があったんでしょう。河合奈保子は身体のボリュームがあってすごかったですよ。松本伊代聖子は華奢で清楚系。明菜もフォトジェニックだったな」

 こんなアクシデントも。

「ヤラセじゃなくて、ビキニで飛び込むから水着が取れそうになって、僕も何人ものアイドルがポロリするのを見ました。当時は楽屋が男女一緒は当たり前。カーテンがちょっと開いちゃった、みたいなことは日常茶飯事で……。百恵ちゃんのだって見ちゃいましたよ。“あ、ゴメンね”ですみましたけど(笑)」