スーパーで飲食店の弁当を
──その一方、市井の人の悩みでいえば、飲食店の時短要請による『夕食難民』なども話題になりましたよね。自炊をする習慣のない人たちにとっては大きな問題かもしれません。飲食業界も苦境に立たされています。何か解決策があればいいのですが……。
「前に、取材を終えて夜9時ごろに目黒駅を通りがかったら、地下鉄の駅ナカの団子屋に行列ができていました。ほかに店がやっていなかったというのもあるかもしれませんが、普段あまり団子屋に並んでいる光景をみることがないので少し衝撃的でしたね。五平餅はギリギリ主食にはなりそうですが。みんなコンビニ弁当には飽きているのかもしれません。
状況が少しでもいい方向に転ぶとすれば、たとえば“休業になった飲食店がスーパーの一画などでお弁当を出す”といった取り組みなどやってみたらどうかな? と思いました。
渋谷の『西武』の地下にいろいろな店のお惣菜が置いてあったりするイメージで、“あそこに行けば欲しいものがみつかる”といった場所があれば便利かなと。今も通りを歩くと、飲食店がお店の前で屋台を出していたりとかするのですが、好きなものを食べようとすると、こっちでお惣菜を買ってあっちで主食を買ってと少し歩かなければいけません。
たとえばこれがスーパーなど、一か所に集まっていれば選びやすいし、地域のコミュニティも活気づくのかなと思いました。もちろん密にならないように気をつけてですが。こういった意見、どこに要望・陳情すればいいんですかね……」
辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。
東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)、『ヌルラン』(太田出版)など。