いじめ動画がネット上で拡散
危険なのは事故だけではない。
ITジャーナリストの鈴木朋子さんによると、
「いじめの問題もあります。動画のコメント欄にブスだとか誹謗(ひぼう)中傷が書き込まれることも。いじめている動画が投稿され、それが複製されてネット上で拡散した事例もあります」
動画が悪用されることも……。
「女性の動画を勝手にキャプチャー(切り取り)をして、まとめサイトで“ブスまとめ”というタイトルで晒されるといった被害が発生しています。
少女の写真を勝手に出会い系サイトで使用されるといった被害も。ネット上で流用されると2度と消せないので、理解したうえで利用する必要があります」(以下、鈴木さん)
性犯罪に巻き込まれるケースも
さらには、子どもが性犯罪に巻き込まれるケースも後を絶たない。
昨年9月には、TikTokのDM(ダイレクトメッセージ)を通じて出会った小学5年の女児を誘い出し、ホテルでわいせつ行為をした男が逮捕される事件が発生している。
「脅されて追い詰められて、会ってしまう子もいる。この事件では男が“会ってくれないと家の前で死ぬ”と言っていたようです」
そもそもTikTokは13歳未満の利用を禁じているが、少女は親の端末を使っていたという。
「TikTokは動画の中に個人情報が含まれやすい。背景の公園やコンビニ、電柱などから住んでいる地域を割り出されてしまいます。
制服姿で投稿すれば、学校名もわかる。悪い人が見ていて会いに来たよと脅されることもあるので、注意が必要です」
ほかにも、少女になりすました男がDMで「裸の写真を送り合おう」と持ちかけて送らせた事件などが発生している。
「子どもはSNSを始めたてのころ、DMに返事をしなければと思ってしまいがち。怪しいアカウントや人物を見抜けるように、リテラシーを磨きましょう」
現在、TikTokでは16歳未満のDM送信機能を禁止しており、年齢認証を厳格化している。それでも家族のアカウントを使用して事件に巻き込まれるケースが多発しており、注意が必要だ。