数学の教え方がうまいと評判の先生

 山口容疑者は、自宅から車で30分ほどの隣接する同県秦野市で長く教鞭(きょうべん)をとっていた。

「スキンヘッドの強面(こわもて)の顔と同じで、厳しく怖いところもあるけど、ジョークで笑わすような面白いところもあった。数学の教え方がうまいと評判の先生」(元教え子)

 2018年には「優秀授業実践教員」として県から表彰されて、ローカルニュースにも取り上げられたことが。

 教科書を離れて面白い言葉で公式を覚えさせるなど、《印象派路線を開拓》と紹介されていた。

 公共物に卑猥な落書きをするとはとんだ印象派だが、秦野市教育委員会は、

「数学の教師で前任の中学校では、美術部の顧問。現在の中学校では剣道部の顧問でした。非常に研究熱心で、教え方が素晴らしく、ほかの先生の模範のような先生だったので、とても残念です」

 とコメントし、謝罪した。

 そんな表の顔をもつ山口容疑者だが、私生活では“奇行”が目立っていた。

「早朝からラジオ体操など、ラジオを大音量でかけながら庭いじりをするのが日課でした。でも、体操をする姿は見たことがない。庭いじりをしていなくても、玄関からラジオの音が響いていて、けっこう耳障りだった」

 と自宅近所の住民。

 ほかにも、

「奥さんの庭いじりはまったく見たことがないの。10年前に奥さん、娘さんと引っ越してきたんだけど、娘さんは結婚したのか、最近は見かけないし、奥さんもいるのかどうか。2人は妙によそよそしいし、夫婦とは思えない感じ」(別の近所の住民)