実際の田舎はそんなじゃない
ワースト2位は、高畑充希主演の『にじいろカルテ』(木曜夜9時~テレビ朝日系)。東京の大病院の救命救急の現場で働く医師・真空(高畑充希)は、難病である多発性筋炎を発症する。仕事を続けるため、選んだのは山奥にある虹ノ村診療所。村の人々と触れ合いながら、成長していく。初回視聴率は12.1%だったが、第6話(2/25放送)では10.7%。2桁をキープしている。
「岡田惠和のオリジナル脚本。オリジナルはやっぱり脚本家の色が出るから、ちゃんと評価したいと思ったんですが、入口からとにかくメルヘン」
この作品をどういう心持ちで見たらいいのかがわからず、ずーっと白目をむいている状態だという。
「村の人たちと和気あいあい、ピーヒャララ♪ なんか童話というか、絵本みたいな話になってるんですよ。ほのぼのしたものが好きな人にはいいかもしれませんが、実際の田舎は排他的な面もある。そんなところが1ミリもない。村人たちがみーんな“高畑充希ウェルカム!”なわけですよ。ほんわかするにも、ほどがあります」
さらには女性キャラクターが魅力的でない点にも顔をしかめる。
「雪乃(安達祐実)はまだら認知症、嵐(水野美紀)は夫に逃げられた女、氷月(西田尚美)は不妊治療をしても子どもを授からなかった。なんか“20~40代の女性が抱えていそうな悩みを集めてみました”みたいな感じがすっごい雑!」
まるで、女性向け掲示板サイト『大手小町』のトップ記事を集めて作ったようなキャラクターだと吐き捨てる。
「わかりやすい病気を抱えさせて、女の連帯を描くつもりなんだろうけど。身の上話して、涙ぐんで、缶蹴りしてアハハハハと笑って、手に手を取り合う。なんかもう、田舎もなめてるし、女もなめてるし。女同士、連帯はしますよ? 連帯はするけど、傷のなめ合いだけでほっこりみたいな描き方は、真実味がまったくない。女の人って、そんな馬鹿じゃないですよ」
『ドクターX~外科医・大門未知子~』『BG~身辺警護人~』などを放送してきた、テレビ朝日の木曜夜9時としては異色作だが、
「うまくいけばシリーズ化も狙える枠に、ほっこりモノがポッコリと入っちゃったわけですね。新たなお客さんを獲得しようという狙いだったら、全然悪くないと思うんですよ。ただ私はこの作品が大嫌いというだけで(笑)」