1000日のレス~別居、離婚訴訟から“誕生日ディナー”に至るまで

「妻には“夫に歩み寄る・ほめる・認めてあげる”ことをアドバイスしています」

 その夫婦は2年以上のレスだった。妻・Aさんは40代なかば。岡野さんへの相談時はすでに別居中で離婚訴訟を考えていた。夫への不満で満ちていたAさんだが、よくよく追及すると恋人時代の2人はとても仲睦まじく、そのときのように戻れるなら離婚しなくてもいいという。

「ならば、ひたすら夫にとって可愛い女を演じるよう伝えました」

 夫へのLINEは今までの業務的なものから、恋人時代のような絵文字を盛り込んだものに。子の学校行事への参加や、子を介して旅行をリクエスト。毎月の生活費をもらうたびに感謝を伝え、仕事ぶりをほめた。そして、ときに自宅へと招き……ほどなく、およそ3年ぶりの夜の営みが果たされたという。

「はじめは“なんで私がこんなことを”と納得いかない様子のAさんでしたが、まず妻の態度が変わったことで、夫が変わった。夫にはおそらく浮気相手がいました。でもコソコソ会ってするより、堂々とできる妻とのセックスを選んだのでしょう。

 もとは結婚するほど好きな妻。妻が“可愛い女”であれば抱けるのです。そして夜の生活が戻れば、夫婦関係はだいたい改善されます」

 最近、岡野さんのところにAさんから“夫が何年かぶりに誕生日のディナーに連れて行ってくれて、昔みたいに花束をくれた。それがうれしくて泣いてしまった”という報告があった。レス1000日を超えて、夫婦は再構築できたのだ。

 つい相手ばかりを責めたくなって、こじらせがちなセックスレス。まずは自分を見つめ直し“自分を代えたら相手も必ず変わるはず”と考えて行動してみては?