バラドルのポンコツはもはや才能!

 バラドルは戦国状態が続いている。大人数アイドルグループのブームのおかげで、そこからバラドルを目指す人もいて、飽和状態ともいえる。

 ただ、アイドル出身のバラドルはいまいち踏ん切りが足りない印象。かつての鈴木奈々のように、少々のバッシングなど自分の大声でかき消してしまいそうな逸材はなかなかいない

丸山桂里奈、天然”ゆえに番組に起用され、またそれが理由でバッシングを受ける丸山桂里奈
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 鈴木の場合、7年前の結婚でママタレ路線に行くのかと思いきや、今も大阪王将のCMなどで変わらず叫んでいる。思えば、同じ言葉を2度繰り返すというあの芸風もCM向きだ。

 さすがに天下からは遠ざかったが、消えそうで消えていないのはなんだかんだいって貴重な存在だからだろう。バラドルとは、うるささが騒音とは限らないという世界なのだ

 だからこそ、丸山桂里奈のような人も重宝される。もともとはアスリートで、それも女子サッカーの日本代表としてW杯優勝に貢献。チーム(なでしこジャパン)として国民栄誉賞も受賞した。

 にもかかわらず、どこかちぐはぐな面白さがある。たとえば、一昨年の『沸騰ワード10』(日本テレビ系)でのこと。熱い料理に取りつかれているとして、あんかけ焼きそばや小籠包などを食べてはむせていた。鈴木同様、ウザイとかむかつくといった反応も生むが、バラエティーにおいてポンコツは才能だといえる

倖田來未や藤原紀香はおしゃべりで……

倖田來未 正直すぎるのがいちばんの原因!? 思ったことを話したがために炎上した倖田來未
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 ただ、イケているはずの人がそうじゃない姿をさらすのはまずい。“エロかっこいい”パフォーマンスで一世を風靡し、レコード大賞にも輝いた倖田來未の失言騒動はまさにそれだった。

 2008年に「35歳を過ぎると羊水が腐る」というラジオでの発言が問題視され、活動自粛。それでも、今年1月の『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)ではGACKTと組んで全問正解を達成して、名誉挽回してみせた。

 彼女の場合、根がいわゆる“関西のオバチャン”で、しゃべりすぎるクセがあるのだ。一昨年『ミュージックフェア』(フジテレビ系)で「自分に禁止令を出すとしたら?」と聞かれたときには「歌う前にしゃべりすぎたらアカンで禁止令」と答えていた。声が枯れるからだそうだが、いい女になりきるためにも、たぶん、しゃべりすぎはマイナスだ。

 じつは藤原紀香も似たタイプ。若いころから、ドラマでもバラエティーでも、関西弁をしゃべるときは生き生きとしていた。陣内智則と離婚した際にも、いかにもおしゃべりな、はるな愛とのほうが仲がよかったなどと報じられたりしたものだ。

 おしゃべりが好きだから、水素水にハマれば、それも隠すことなくしゃべってしまう。彼女が火付け役のひとりでもあった水素ブームは、’16年に国民生活センターが健康効果を「根拠なし」としたことですたれてしまったが、本人は今も愛好しているようだ。

 昨年の女性誌インタビューでも、

「夜は大黒摩季さんから紹介されたマシンで高濃度の水素を吸いながら就寝しているので、かなりぐっすり休めますね」

 と、効用をアピール。もっとも、彼女は自分らしく生きているだけなのだろう。もしかしたら“いい女”として持ち上げすぎたメディアにも責任があるかもしれない。

 同じことが剛力彩芽にもいえる。国民的美少女コンテスト出身とはいえ、決勝までは進んでいない。にもかかわらず、デビューから露出しまくり状態。ファンも増えたが、事務所と業界全体の「ゴリ推し」だとして、アンチも生まれた。

 プライベートでは、日本有数のお金持ちと交際。最終的に破局しても、いまいち同情されなかった。“推しの強さ”が仇になる、という典型だ

 ただ、この3人の場合、本人自体に「押しの強さ」がある。何があってもめげることなく堂々としているからこそ、許せたり、ニクめなかったりするのかもしれない。