シフト削減は「休業と同じ」と国が認めています
会社側が協力的なら、書類を書いて提出すればよい。一方、会社側が協力的ではない場合もある。
「事務的に大変ということで会社側が協力しない場合があります。例えば、シフト制の場合、シフトを減らしただけで休業ではないと考えて、『休業と認めて確認書を書くことはできない』という場合もあるようです。
もし、労働者が申請をすると、会社が『休業手当を払っていないんじゃないか』と指導を受けるのでは?と誤解しているケースもあります。ハラスメントとして協力しないケースはまだ報告はありませんが、今後は考えうるのではないでしょうか」
会社が誤解している場合、まず、労働者側が説明をする必要がある。
「厚労省のHPにある『10月30日公表リーフレット』が参考になります。シフト削減の場合も「休業」にあたると書いています。それを見せるといいです」
それでも会社が書類を書いてくれない場合はどうしたらいいの?
「どうしても会社から協力を得られない場合は、その旨を「確認書」に書きます。もしくは、会社の対応を書きます。そのまま労働局に提出します。協力を得られた場合はすぐに支給決定となりますが、協力を得られない場合は労働局が会社を説得します。その分、時間がかかってしまいます」
申請は7月いっぱい、早めに動きましょう
ただし、個人で交渉するとなると、苦手な場合はどうすればいいか。
「会社内の労働組合か、組合に入っていない場合は(首都圏青年ユニオンの飲食業分会である)『飲食店ユニオン』などを頼っていただきたい。相談のうえ、書類作成のアドバイス、会社への交渉をすることもできます。団体交渉となった場合は、企業は断ることができません。個人で交渉するよりは効果があります。ただ、個人での交渉がいちばん早いですね」
申請の際に気をつけることはあるのか。
「金額は、休業前の8割が支給されます。休業前6か月のうち、給与の設定が高い3か月分を労働者側が選び、全部足して、3か月間の出勤日数で割り、日額を出します。休業月の休業期間の日数分が支払われます。労働日ではなく、出勤日数ごとに支払われます。単純に休業前3か月分としてしまうと、支給額が減ってしまうことがあるので気をつけましょう」
休業支援金・給付金の申請は7月いっぱい。早めに会社と交渉をすることだ。新型コロナ感染拡大で生活に不安が生じている人も多いだろうが、その1つが解消できるだけでも安心だ。