『北ウイング』『十戒』『飾りじゃないのよ涙は』『ミ・アモーレ〔Meu amor e・・・〕』『DESIRE-情熱-』『難破船』……多くの人に愛された中森明菜のヒット曲は数多い。
「2000年代に入ってからは松田聖子や山口百恵の曲をカバーし、歌手としての実力を再認識されました。それらを収録したアルバムはシリーズ化されヒット。その後には、パチンコ台にも採用され、これがヒットしたことも、息長く、幅広い層に知られるひとつの理由にもなります」(同前)
また、あるアイドルウォッチャーは同期である「82年デビュー組」を見わたして、明菜の魅力を力説する。
「小泉今日子やシブがき隊、早見優、堀ちえみ、石川秀美など、中森明菜と同じ82年デビューのアイドルは、その活躍ぶりから“花の82年組”と呼ばれました。明菜はその中でも当時から実力が認められ、ひとつ飛び抜けた存在でした。実際に仲のいい同期のアイドルはいたものの、どこか孤高の存在のように見えたところがあるように感じました」
“悲劇なヒロイン”的な面も魅力的
明菜の特異性は、歌手としての評価以外にも見受けられた。昨年11月、25歳年下の女性との不倫の末に活動自粛をし、そのまま40年以上在籍していたジャニーズ事務所を退所した近藤真彦との過去の交際だ。
「その交際は常に注目されていました。その後に起こった数々の騒動の衝撃の大きさは、今もなお語り継がれるほどです。その大きさゆえに、自由奔放な芸能活動を送ることができなくなってしまったところもあるかもしれません。しかし、“悲劇のヒロイン”的な面に魅力を感じる人も少なくないと思います」(同前)
実際、近藤真彦の話題が上がるたびに、明菜をあらためて扱うニュース記事も複数見受けられた。やはり明菜の注目度は今もなお、高いと言える。前出の芸能ジャーナリストが言う。
「いまでも明菜の復活、また歌う姿を実際に見たいというファンはたくさんいると思います。この40周年を機に、配信でもいいから大きなサプライズを期待したいところです」
明菜の数々のヒット曲に浸り、まずはその魅力に再び触れてみたい。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉