各国“独自”のルール
「屋内禁煙」のルールは、イタリアでも同じだ。
「ただし、屋外での喫煙は比較的自由な印象を受けます。歩きたばこ、路上喫煙、ポイ捨ては日常的で、がっかりです」と、ボローニャ在住の女性(45)が言う。
イタリアの喫煙者率は23・5%(世界68位)で、日本より1・6%高い。多くのレストランの屋外席には灰皿が置かれ、利用者には独特のマナーがあるという。
「灰皿があるから、食事中にたばこを吸っていいというわけではないみたい。喫煙席を立って、わざわざ離れた場所で喫煙し、終わるとまた席に戻るのが暗黙の了解事項のようです」
一方、「禁煙先進国」と言われるアメリカではどうか。
「州や市によってルールが異なりますが、ロサンゼルスでの『屋内禁煙』のルールは厳しく、罰金が500ドル(約5万3000円)。レストランもすべて禁煙だし、ホテルに『喫煙ルーム』はありません。ごく稀に外で吸っている人を見るくらいでしょうか」
と、ロサンゼルス在住の男性(60)。
路上喫煙は、公共の建物の入り口から6メートル以上離れなければならない決まり。サンタモニカではビーチ、バス停などにも「禁煙」のステッカーが貼られ、警官がパトロールしている。
ところが、ダウンタウンに喫煙所を見つけたそう。灰皿があるだけで、囲みがなく、紫煙が周囲に広がっていたという。
東部・ボストンでは「喫煙所は見当たらない」と在住の女性(37)。「私の住む郊外の住宅地ではたばこを吸う人を見かけることが一度もありませんが、ダウンタウンのゴミ拾いボランティアをしたとき、一番多いゴミがたばこでした。ということは、実は密かに路上で吸っている人が多いのでしょうか」
南米ブラジルも地域差が大きいようだ。
「私の住んでいたゴイアス州での田舎町では、3年間で10人ほどしか喫煙者を見ることがなく、町に吸い殻も落ちていませんでしたが」
と、このほど帰国した女性(34)。首都ブラジリアで日本料理店を経営する友人夫婦によると、これまでに雇ったブラジル人20人が全員喫煙者だったという。
「どこの街でもダウンタウンでは、歩きたばこをしている人がいますし、リオデジャネイロのビーチでもたくさんの人が吸っていて、ポイ捨ても目に余りました」