横浜市戸塚区名瀬町のアパートから姿を消していたアミメニシキヘビが22日午後4時47分ごろ、見つかった。飼育されていた2階の部屋の屋根裏に潜んでいた。
同日夕、静岡県にある国内最大の爬虫類・両生類の体感型動物園「iZoo(イズー)」の白輪剛史園長らがアパート所有者の許可を得て天井裏に立ち入ったところ、屋根裏の鉄骨の梁に絡みついているのを発見。ヘビは無事で生きていた。地元警察、消防なども立ち合った。
アパート内部の徹底捜索が始まったのは午後4時半ごろ。外壁にはしごをかけて業者がのぼり、建物の隙間などをチェック。約10分後、飼い主が住んでいた部屋の内部から屋根裏にアプローチし、同47分ごろ、外まで「おっ!」と大きな声が聞こえた。
東南アジアなど熱帯地域に生息するアミメニシキヘビは、毒はないものの巻き付く力が強い。人に危害を加えるおそれがあるため「特定動物」に指定されている。現行法は個人が新たに飼うことを禁じている。
男性が飼う個体は推定3歳7か月ながら体長約3・2メートル、体重約10キロ超と巨大。幼児らに襲いかかるリスクなどを考慮して地元警察や消防、動物愛護センターなどがアパート周辺を連日捜索してきたが、居場所をつかむ手がかりは得られなかった。前日21日には警察が捜索を打ち切ったばかりで、周辺住民からは不安の声も出ていた。
ヘビが見つかると、周辺の複数住民が窓やベランダから顔を出し、手を振って喜んだ。
逃走17日目。飼い主に頼まれ捜索助言などを続けてきた前出の白輪園長は、外気温の低さや、アパート周辺の大規模捜索でも何の痕跡も見つからなかったことなどから「まだ建物内部に潜んでいるのではないか」と推測。アパート住人から、天井裏で生き物が動くような音を聞いたとする証言もあり、アパート所有者に打診してこの日の徹底内部捜索につなげた。
白輪園長は、
「やっぱり屋根裏にいた。(ヘビは)生きている」
とホッとした様子。
飼い主の男性は6日午前8時半ごろ、ヘビをケージに入れ窓を網戸にして外出。同日午後9時ごろ帰宅すると、ケージのロックがはずれてヘビはおらず、網戸のスライド部分が10センチ程度ずれて隙間が開いていたといい、屋外に逃げたのではないかとみられていた。
◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)
〈PROFILE〉法曹界の専門紙『法律新聞』記者を経て、夕刊紙『内外タイムス』報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より『週刊女性』で社会分野担当記者として取材・執筆する
*23日0:00、写真を差し替えて更新