カラテカ矢部太郎
「年々、難しくなっている感じがします」
'07年3月、合格率約4%という難資格・気象予報士を取得した矢部。きっかけは、
「'05年、『はなまるマーケット』のロケで気象予報士の森田正光さんに密着をさせてもらって。“気象予報士の試験問題があるからやってみる?”と言われ、解いてみたら、けっこうできたんです。“矢部くん、いいよ! 勉強して取りなよ”と言ってもらいまして」
芸人としてのキャリアアップも見据え、取得を決めた。
「多分、勉強すればできるだろうなっていうイメージはあったので、独学で。以前、『進ぬ! 電波少年』っていう番組で、部屋に軟禁されて4か国語(スワヒリ語、モンゴル語、韓国語、コイサンマン語)を覚えたことがあったので、勉強することに慣れていたんですね」
もともと矢部には、東京学芸大学に入学した学力があるうえ、理科は得意科目。
「まず本屋に行って、これ一冊を暗記すれば受かるといわれている『一般気象学』を買いました。でも難しくて読めないから、これを読むためにもう少し簡単な本を買う……を繰り返し、最終的には小学生向けの『天気100のひみつ』みたいな漫画までさかのぼりました(笑)」
そこから順に読み進め、知識を蓄えていったという。芸人の仕事との両立は、大変だったのでは?
「全然。当時は暇だったので(笑)。完全に好きなだけ勉強できました(笑)」
気象予報士の試験は年2回、実施されている。
「一次試験は“筆記”。15問くらいあって、5択から選ぶマークシート形式。合っているものを選ぶのではなく、間違っているものを選ぶので、難易度はかなり高いです。7割くらい取らないとダメですね」
二次試験は“実技”と呼ばれるが、
「天気図が配られ、問題文に制限文字数以内で答える記述式です。例えば“この天気図が何日後にはどうなるか”とか。メチャクチャ難しいと思います。気象予報士はすでに1万人を超えているので、どちらかというと“落とす試験”。過去問にまったくない出題がされたり、年々難しくなっている感じがします」
2年を費やし、3回目の受験で見事、合格。
「気象予報士としてお天気コーナーをやるような仕事はしていませんが、僕は気象予報士を取ってよかった。天気って地球上で全部つながっているし、やっぱり科学。科学的に未来を予想したり、考えるきっかけになりました。気象予報士って、若い女性がいっぱい受けていそうなイメージがあるんですけど、実際の会場はおじさんだらけなんですよ(笑)。
『おかえりモネ』ではどんな感じで描かれるのかな? 朝ドラだから過程も詳しくやってくれると思うので、またあの合格の喜びが味わえるのかなと思うと、今後がとっても楽しみです!」
■6月17日発売『ぼくのお父さん』
矢部太郎の新刊は、絵本作家の“お父さん”(やべみつのり)と幼い“ぼく”のほのぼの漫画。『大家さんと僕』の感動が再び! 定価1265円(税込み)、A5判、オールカラー、新潮社刊