女風男性キャストが告白!
「肌と心の触れ合いで深い癒しを」
日々、女性たちを癒す男性キャストは、何を思うのか。SPA White所属の50代キャスト、香(かおる)さんに話を聞いた。
「女性と接していると本当に、ひとりひとり反応も違いますし、実に繊細だなと感じます。日々、学ぶことばかりですね」
優しい笑顔と穏やかな語り口が魅力的な香さん。平日は営業マンとして働いている。キャストの仕事は、いわば副業として始めた。
「きっかけは、女性に恩返しをしたい、という思いからです。昔、僕自身が精神的にも経済的にも追い込まれたとき、周囲の女性から優しく声をかけてもらって、救われた経験があるんです」
そんな香さんを指名するのは、20代からアラ還の女性までと実に幅広い。
「20代の女性だと、『同年代の男の子は苦手』という方からのご指名が多いですね。また同じ世代なら、“若いころって、こんなドラマがあったよね〜”など、友達感覚で盛り上がりますね」
女性向け風俗で働く男性というと、百戦錬磨のテクニックの持ち主を思い描いてしまうが、香さんが何より心がけているのは、「会話でどれだけ相手の気持ちを酌み取れるか」だという。
「女風の存在も、徐々に世間で知られるようになってきたとはいえ、まだまだ実際に利用するにはハードルは高い。きっとお客様も勇気を振り絞って、予約をしてくれていると思うんです。もちろん当日も心の中でかなり緊張をしているはず。僕もそんな女性の思いを酌み取るためにも、待ち合わせ場所からホテルに行くまでの段階で、いかに会話でリラックスしてもらえるかを心がけていますね」
ホテルに入ると、記入してもらったカウンセリングシートをもとに手をつないだり、ハグをしたり……女性の心がほぐれた状態になってから、初めて肌に触れるという。
「ひとつひとつの動作に移る前に“手をつないでいいですか?”“ハグしてもいいですか?”ときちんと同意を取ることを最重要視しています。女性がイヤだと思うことをしてしまったり、不注意な言動で傷つけないよう、細心の注意を払っています」
どこまでもこまやかで、ホスピタリティーあふれる香さんだが、過去には性に対する苦い思い出もあるという。
「若いころ、セックスの途中でダメになってしまったことがあるんです。その際、相手の女性から激しくダメ出しをされて、深く傷つきましたね(苦笑)。そんなトラウマもあることから、性の悦びを知るのは、セックスだけではないと考えています。お客様の中には、性に対して保守的な方もいらっしゃいますが、気軽に相談に乗れたらいいなとも思います」
直接的な刺激ではなく、会話や肌の触れ合いで、深い癒しを与える香さん。最後に読者にメッセージをくれた。
「今の50代、60代の女性の中には、家事や育児、介護を一手に任されて、つい自分のことは後回しにしてしまう人も多いように思えます。日々、頑張ってガチガチになった心と身体を、限られた時間の中でもほぐしてもらえたらとてもうれしいですね」
人生の酸いも甘いも味わってきた香さん。その抜群の包容力と優しさに癒されたいと願う女性は、続出中だ。
『女風』で心に栄養を補給し、新たな一歩を踏み出したい。
あす香さん
女性用風俗SPA Whiteグループオーナー。在籍するセラピストに15時間以上の研修を担当する。ほかにも、エステティシャンなどとして店内外で後進の指導や育成にもあたる。
菅野久美子さん
ノンフィクションライター。性や孤独死、生きづらさなどをテーマに執筆。『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(角川新書)など著書多数。
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(取材・文/アケミン)