Aくんの中学校には、

《祝 空手道Aくん 福岡県新人大会 組手 準優勝》

《祝 Aくん 2021年度ジュニア強化選考会 カデット男子組手―63kg級日本代表》

 と書かれた2本のたれ幕が、今も貼られ続けている。学校側に話を聞いた。

「Aくんのご家族と相談した結果、“そのまま貼り続けてほしい”ということになりました。学校の部活での功績ではないのですが、外部の活動であっても彼の栄誉をたたえたいという気持ちで行っています」

 突然、奪われたAくんの命。遺族にとっては、まだまだ受け入れられない現実なのだろう──。Bくんの母親は、

「Aくんのことを思うと不憫でなりません……。彼の葬儀で初めてAくんのご両親とお会いしたのですが、かける言葉が見つかりませんでした」

 Aくんの自宅を訪ねてみると、母親が消え入るような声でこう答えた。

「申し訳ありませんが、まだお話できる状態ではありませんので、すいません」

近所では悪評の高い容疑者

 一方、事故を起こした山田容疑者はどんな人物なのか。

「スキンヘッドで厳つい見た目ですが、彼はイベント関連会社の会社員。家族は自宅でヨガ・スタジオを開いている妻、20歳ぐらいの長男と、被害者と同い年ぐらいの長女の4人暮らしです」(地方メディア記者)

 自宅は、福岡市で人気の一等地に80坪ほどもある豪邸。不動産関係者によれば、土地価格だけでも1億円はくだらないという。趣味は“外に乗ること”で、

事故を起こした白いベンツのほか、アウディやBMWも持っていました。スピード狂で、過去にも人身事故、飲酒運転などのような自動に関する前科があると聞いています」(同)

山田容疑者の自宅
山田容疑者の自宅

 朝7時ぐらいになると、お気に入りの外に乗って猛スピードで出かけていた容疑者。

「わざわざ狭い道をスピードを出して走っていた。これ見よがしに外を見せびらかしとるんじゃなかかね。近所では悪評の高い人ですよ。

 自宅前の道を舗装工事しているときも“音がウルサい”といちゃもんをつけとった、怖い人」(近所の住人)

 前出のBくんの母親は、訴える。

「前途洋々たる子どもの人生を奪ったんです。それだけではなく、その家族や友だちがどれだけ悲しみのどん底に突き落とされているのか……。考えてほしい」

 容疑者はいまだに犯行を否認し続けていて、謝罪の言葉はひとつもない──。