次第に生まれていったメンバーへの嫉妬心
山下の両親は、不仲や過去の報道が原因であることについては否定したが、それもそのはず。関係者によると、さらなる原因があるという。
「今回の山下さんの脱退は、彼の素行不良に2人のメンバーが目をつむれなくなったということももちろんあったのでしょうが、吉岡さんと水野さんの2人と、山下さんとの距離感があまりにも離れすぎたことが原因だったようですね」(レコード会社関係者)
いったいどういうことか。
「数年前ですが、都内で山下さんとマネージャーさんが打ち合わせをしているところに遭遇したんです。山下さんがすごく熱っぽく話していたので何を話しているのかと思ったら“3人グループのはずなのに、なぜいつも吉岡ばかりが目立つんだ”と怒っていて……。ボーカルがいちばん目立ってしまうのは仕方がないんじゃない? と思いましたけどね。彼にとっては、その状況が耐えられなかったのでしょう」(居合わせた女性)
“このバンドは吉岡の力だけで売れたわけじゃない”ということを訴えたかったのだろうけど……。
また、自分でも作詞・作曲をしていた山下にとって、水野の曲ばかりが注目されることにも不満を募らせていたそう。
「すべての曲はメンバーによって制作されていたんですが、シングルA面の曲はほとんど水野さんが作っており、山下さんが作っていたのはカップリング曲とアルバム収録曲ばかり。
水野さんのほうが万人ウケする曲を作る才能があったということなんでしょうが、このことも山下さんは許せなかった。“なんでシングル曲を書かせてもらえないんだ”と、ことあるごとにスタッフに愚痴っていたといいます」(前出・レコード会社関係者)
スポットライトのあたる吉岡や水野への嫉妬を強めていった山下。いつしか2人との関係は、修復不可能なほどに悪化してしまったのだった。
また、昨春には、これまでの所属事務所『CUBE(キューブ)』から独立した3人。このことも山下にとっては裏目に出てしまったという。
「CUBEにいれば、グループを脱退してもソロとしての活動もスタートしやすかったかもしれませんが、事務所を辞めたことで、ハードルが上がってしまいました。独立自体も決して円満ではなかったそうなので、CUBEも今後、山下さんに手を差し伸べることはないでしょう。
裏方として活動していくようですが、山下さんの自己顕示欲の強さを考えると、やっぱり表に出たいんじゃないかと思ってしまいますけどね」(芸能プロ関係者)
両親の話とは裏腹に、関係者の話からはスポットライトを浴びたかった山下の素顔が見えてくる。
実際のところ、山下の嫉妬心からくる関係の悪化が、脱退の引き金となったのだろうか。脱退発表の翌日、犬の散歩から帰宅してきた水野にも改めて話を聞いた。
――脱退する山下さんはご友人に戻られるということで?
「はい、そうです」
――不仲だった?
「そういう見方になっちゃいますよね…(苦笑)」
――自分が目立てないことに山下さんは不満を抱いていた?
「それはまったくないです。3人でフラットにやってきたグループなので、そういうことは何にもなくて……。発表の文にも載せたんですけど、40歳を前にいろいろ考えるところもあって。同じグループで、ずっとやってきたので、違うものを見たいという話が数年前から出ていて、話し合った結果、みなさんを驚かせてしまうことにはなってしまったんですが……」
――『FRIDAY』の報道も影響した?
「全然そういうことはなくて、発表したことがすべてです。せっかく来ていただいたのにすみません」
今夏以降、『いきものがかり』は吉岡と水野の2人で活動していくことになる。気になる彼らの関係性はというと――。
「吉岡さんと水野さんも決して仲がいいわけではありませんが、山下さんと比べると、ビジネスと割り切って関係を続けることができるように思います。ここからまたメンバーが欠けて“解散”という悲劇は、しばらく起こらないでしょう」(前出・レコード会社関係者)
“幼なじみ”から“ビジネスパートナー”となった2人のこれからの活動に、まずはYELLを送りたい。