コロナ禍の重苦しいムードが長引く中、テレビマンたちが彼らの明るさや親近感を求めるのは必然かもしれない。

 また、あるトークバラエティーのディレクターは、「関西系のアイドルなのに、前に出すぎず立ち位置をわきまえているところがいいよね」と言っていた。7人は大阪と兵庫出身の関西人で、ライブではコントを披露するなど笑いの面でも評価されているが、他の出演者たちと波長を合わせられるなど、全国の人々から見て「うるさくない」ところがいいというのだ。

 ジャニーズWESTは7人それぞれがMCをこなせるトーク力を持っているため、いい意味でボケとツッコミが混在している。これは裏を返せば、みんな空気を読み合えるからであり、やはりグループ愛の深さを感じてしまう。

全国区へのキーマンは主演俳優・重岡大毅

 重岡という主演俳優を演じられる芝居のエースがいることもテレビマンたちの印象アップにつながっている。重岡は2019年の『これは経費で落ちません!』(NHK)、2020年の『知らなくていいコト』(日本テレビ系)、『誰も知らない志村けん -残してくれた最後のメッセージ-』(日本テレビ系)と好演を続けて、あっという間に主演俳優の座に登り詰めた。

 もともと各メンバーのパフォーマンスレベルが高いと評価されていた上に、重岡が老若男女からの知名度を得たことによって、「いよいよジャニーズWESTが全国区の人気を得ていくのではないか」と見ているテレビマンは少なくない。

 明るく嫌みのない彼らなら、冒頭に挙げた後輩の若手ジャニーズたちと健全に切磋琢磨していけるのではないか。もしかしたら嵐が担っていたポジションにハマるのは、ジャニーズWESTなのかもしれない。

木村隆志(コラムニスト、テレビ解説者)
ウェブを中心に月30本前後のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。各番組に情報提供を行うほか、取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84話しかけなくていい!会話術』など。