容疑者とネットで知り合ったA子さんの証言

 地元の公立高校を卒業した後は、実家の住職の仕事を継ぐために仏教系の大学に進学。

「友人は多くない印象でした。あまり僧侶になりたくなさそうな様子だった」(大学の知人)

 結局、1年もたたずに大学は中退。2019年に一度はパン店に就職したものの、仕事が合わなかったのか、すぐに退職した。

 最近は近所のカラオケ店でアルバイトをしていた。最近の様子について近くに住む祖父に尋ねると、

「前に会ったのは今年の正月。変わった感じはありませんでした。ごく普通の青年だと思っていたのですが……。被害に遭われた女性には、なんとお詫びをしてよいか……」

 と声を詰まらせた。

家族と同居する容疑者の自宅。中から血のついた包丁が発見された
家族と同居する容疑者の自宅。中から血のついた包丁が発見された
【写真】インスタでは明るい表情を見せていた被害者の中込さん

 さらに週刊女性が取材を進めると、夏見容疑者とネットで知り合ったという冒頭のA子さんに話を聞くことができた。

 A子さんが当時を振り返る。

「彼とは数年前、私が精神的に病んでいた時期にネットで知り合いました。

 “父親が僧侶でカウンセラーもやっているから、自分も話を聞いてあげられる”と言っていて、よい人だと思い相談に乗ってもらいました」

 お互いゲーム好きで話が合ったという。

「週に2、3回程度、家の近くに来て話を聞いてくれた。

 会話が独特なんですよ。アニメのイケメンキャラが言うようなセリフを、恥ずかしげもなく口にするんです。いつも敬語で、そっと相手に寄り添うような話し方で……。洗脳するような感じ。弱っている子は簡単に騙されると思います」(同)

 “付き合えなくても、私はあなたを愛しています”などと度々、口説いていた。しかし、

「彼にはネットで知り合った、長年交際している女性B子さんがいたんですよ」

 容疑者の過去を知る知人のC氏が事情を説明する。

「彼はB子さんがいるにもかかわらず、SNSで複数の少女に声をかけて相談に乗ると見せかけ、交際を迫っていた」