コロナ禍のストレスで天気痛が悪化
コロナ禍におけるストレスも天気痛に拍車をかけるという。
「天気痛の方は気分が下がりがちな傾向があります。コロナ禍のストレスによって余計に気持ちが落ち、不調を感じやすくなっています」
天気痛の予防と改善に役立つのが、佐藤先生が考案した「耳くるくるマッサージ」。
「これまでの研究で、内耳の血流が悪いと天気の影響を受けやすいことがわかっています。“耳くるくるマッサージ”は内耳への血流を促進させる働きがあります」
こうしたセルフマッサージで日ごろから症状に対応しておくことはとても大切だ。
「痛みがつらいと薬に頼ってしまいたくなりますが、私はクリニックに来られた方にはまずマッサージをすすめています。それから漢方、それでもだめなら薬といった順です。薬剤の使用過多による頭痛の方も多いですから、市販の鎮痛剤は1か月に10日以上の使用は控えましょう」
【えっ!? これも? 天気に関係する症状】
●頭痛……前頭部やこめかみがズキズキと痛む「片頭痛」は、70%以上が天気の影響を受けるといわれている。また、頭部を圧迫されるような「緊張型頭痛」は天気のほかにも頭や首の筋肉の緊張やストレスが痛みの誘因になることも。
●耳の症状……天気が悪くなる前に耳の奥がつーんとしたり、ボワーッとするなど、なんらかの異常を感じるときは天気痛が疑われる。
●首・肩の痛み……首や肩の痛みも天気の影響を受けやすい症状。特にむちうちなど過去にケガをしていたり、首や肩がこりやすい人は天気によって痛みが出やすい。
●気管支ぜんそく……天気が悪くなったときや季節の変わり目にはぜんそくの発作が出やすい。特に高齢者のぜんそくに多く見られる傾向がある。
●めまい……めまいは単独で起こることもあれば、片頭痛の予兆として天気が崩れる前に現れることも。また、緊張型頭痛もめまいを伴うことが多い。
●更年期症状……ホットフラッシュやほてり、気分の落ち込み、イライラといった更年期に起こりやすい症状は天気とも関係が深いといわれている。
●慢性痛……骨折やねんざ、手術の痕などの古傷は天気によって痛みがひどくなる。また、神経痛や腰痛、ひざ痛といった慢性痛も天気の影響を受けやすい。
●心の不調……気分が憂鬱になって何も手につかない、不安になる、クヨクヨするといった心の不調は、天気の変化に大きく左右される。
●認知症……興奮やイライラ、徘徊、暴行、うつ症状など認知症でよく見られる周辺症状も天気と関係しているという報告がある。