だが、こうも続けた。
「とはいえ、私にとってはかわいい息子ですから、できれば代わってあげたいという気持ちも……。代わりに老いた私と主人の命を奪ってもらったらとも思います」
と悲痛な胸の内を吐露した。児童5人が死傷する凄惨な事故を起こした梅澤容疑者。その母親は厳罰を望んでいるが、実際はどの程度の罪になるのだろうか──。
どのくらい酩酊状態だったのかが量刑のカギ
元千葉県警交通事故捜査官で、現在は『交通事故調査解析事務所』代表の熊谷宗徳さんに話を聞いた。
「容疑者がどのくらい酩酊した状態にあったのかが量刑の大きなカギとなるでしょう」
事件当時の容疑者の飲酒量について、佐倉署に問い合わせた。すると“基準値を超えるアルコール量”と回答するだけで、具体的な数値は公表してくれなかった。前出の熊谷さんが続ける。
「例えば基準値の3倍になる数値だったならば、へべれけ状態であり通常の判断ができない状態で運転していたことになる。そうなれば、危険運転致死傷が認められることになるでしょう」
最長で懲役20年となる。だが、もし容疑者のアルコール量が基準値をほんの少し超える程度でしかなかったら、話は変わってくるという。
「事故で2人の方が亡くなっているので、もちろん実刑は確定だと思っています。ですが、数値によっては懲役5年くらいですんでしまうかもしれません。あのような大事故を起こしておいて、その程度の罪にしかならないんです」(熊谷さん)
容疑者の飲酒について、母親はこう話していた。
「家ではほとんど飲まないんですけど……。息子はお酒に弱いですし。荷物を降ろして、あとは会社に戻るだけだったので、気が緩んだのかもしれません」
だが、地元のタクシー運転手からはこんな話も。
「ここだけの話だけど、このあたりで飲酒運転しているドライバーはかなり多いよ。車がなければ生活できないところですから、どうしたって飲んじゃうじゃない」
捜査関係者によると、容疑者は「帰る途中に飲んだ」などと供述しているが、
「容疑者は飲食店で飲酒していないと思うよ。だってあんな大型トラックを止められる駐車場を持つ飲食店なんてめったにないから。あらかじめ酒を買っておいて、車中で飲んだんじゃないかな」(同・タクシー運転手)
いくら気が緩んでいたとしても“車中で飲酒”は許せない行動だ──。