実はこの本、発売日に朝の情報番組で紹介されて、いきなりドカンと売れた過去があるのですが、この記事が出た日は、その発売日と同様に、ネットでの売れ筋本ランキングの順位がドーンと跳ね上がり、著者としては、ありがたい限りでした。
それにしても、いくら「黄金ルーキー」と呼ばれていたとはいえ、メジャーリーグのファンたちが熱狂し、オールスターゲームに史上初めて二刀流で出場するほどの大選手になろうとは……。
新聞記事が出た当時の私は、「大谷選手、ぜひ頑張ってプロ野球で活躍してほしい!」なんて、本気で応援していました。今となっては、懐かしくも恥ずかしい思い出です。
大谷翔平選手へ伝えたいこと
読書家の大谷選手のことですから、私の本を読んだことなど、もう忘れてしまっていることでしょう。
でも、これからプロ野球を背負って立つ偉大な選手が、プロ入り後の初キャンプに自分のデビュー本を1冊だけ持っていってくれたというのは、私にとっては名誉以外の何ものでもありません。
大谷選手に本を渡してくれたライターさん(その後、何度かお会いしています)と、それを律儀にキャンプに持っていってくれた大谷選手には、感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に、大谷選手へ「本のおまけ」として、もうひとつ、先人の名言を。
《汝(なんじ)は、汝の道をゆけ そして人々にはその言うにまかせよ》(ダンテ 『神曲』より)
「自分が信じる道を行きなさい。言いたいやつには言わせておけばいい」という意味です。
野球ファンの1人として、今後のプロ野球の未来を担う大谷選手に伝えたいのは、ぜひ、周囲の声に影響されることなく、二刀流を続けてほしいということ。
投打のどちらかの調子が悪くなったり、故障したりすると、必ず「大谷は投打のどちらかに専念すべき」と言い出す専門家が出てくると思うので、ぜひ、無視してほしい。
もし、無理やり二刀流をやめさせようとする監督が就任したら、球団にトレードを申し入れて、理解のあるチームへ移ってでも、自分の意志を貫いてほしいと思います。
私が言うまでもなく、大谷選手自身がそう考えていると思うので、余計なお世話ですが……。
そして、「どうか故障することなく、シーズンを過ごしてほしい」と願うばかりです。
(文/西沢 泰生)
【著者PROFILE】
にしざわ・やすお ◎作家・ライター・出版プロデューサー。子どものころからの読書好き。『アタック25』『クイズタイムショック』などのクイズ番組に出演し優勝。『第10回アメリカ横断ウルトラクイズ』ではニューヨークまで進み準優勝を果たす。就職後は約20年間、社内報の編集を担当。その間、社長秘書も兼任。現在は作家として独立。主な著書:『壁を越えられないときに教えてくれる一流の人のすごい考え方』(アスコム)/『伝説のクイズ王も驚いた予想を超えてくる雑学の本』(三笠書房)/『コーヒーと楽しむ 心が「ホッと」温まる50の物語』(PHP文庫)ほか。