「同じく“地上波初放送”を謳った『アナと雪の女王』です。社会現象にもなったキラーコンテンツを放送できるとあって力が入り過ぎたのでしょう(苦笑)。開始前から“いよいよ放送”などと過剰な煽りも見受けられたのですが、問題は本編終了後のエンドロールでした」(前出・アニメライター)

 『アナ雪』といえば『レット・イット・ゴー~ありのままで~』が大きく知られ、映画館では観客全員で合唱する企画も生まれたほど。これに便乗したフジは、本来ならばMay J.が歌うエンディングテーマが流れるところを“改変”。

ディズニー推しの芸能人や自局のアナウンサー、視聴者の投稿映像を織り交ぜたオリジナルのエンディング映像を流してしまった。映画の余韻を消したことに加えて、他の映画の番宣までブチ込んだことで“アナ雪が台無し”炎上騒ぎに。
 
 “尺”の関係でエンディングをカットするのは他局でもあれど、わざわざ作り直して、それが批判されるのは異例。その後の定例会見で当時の亀山千広社長が“唐突感はあった”と、行き過ぎた演出を反省するハメになった(苦笑)」(前出・アニメライター)

「楽しくなければ〜」の体質

 この教訓を生かしてか、2019年1月3日にテレビ朝日に“鞍替え”して放送された『アナ雪』は無事に通常エンディングが流れた模様。視聴者はようやく地上波で“完全版”を見ることができたのだ。「う〜ん、フジテレビさんの“体質”ですね」とは広告代理店営業マン。

“楽しくなければテレビじゃない”とは同局の標語のようなもので、そんなテレビマンの“性”か、よかれとの思いから一部で“悪ノリ”にも見える過剰演出の傾向があるのも事実。今回、『鬼滅』放映権をとったことで早速、花江夏樹ら出演声優陣の同局番組への番宣行脚や、特集企画なども練られ始めていると言います。でも、ファンが純粋に見たいのは丁寧に作られた作品そのもの。浮かれずに“ありのままの”『鬼滅の刃』を放送するだけで、自ずと視聴率は稼げると思いますよ」

 原作ストーリー同様に、演出面でもハラハラドキドキさせられそうだ。