「結婚するならこの人しかいない」

 一方の原田は、当時のことをあまり覚えていないという。

「デビューしたばかりで演技経験もゼロだったので、セリフを覚えるので精いっぱいでした。その話を聞いて、よく女性に話しかける余裕があったな、と思います。そのときは友達どまりでしたが、その後、学園ドラマ『キライじゃないぜ』(TBS系)で共演した際に、僕から交際を申し込みました」(原田)

 晴れて交際がスタートしたものの「まさか本当に結婚するとは思わなかった」と、愛さん。その理由のひとつが10年の“長い春”だ。

付き合い始めてすぐに『結婚しよう』と言われたんですけど、私自身、20代前半での結婚はあまり実感が湧かなくて、気づくと10年たっていました。それに、口では『結婚しよう』と言うんですけど、具体的に進まない。それもズルズルと続いた原因かも

 愛さんは「今思うと結婚詐欺みたいでしたね」と笑う。

「僕は『結婚するならこの人しかいない』と思っていました。でも、仕事が忙しくて結婚するタイミングがわからなかったんですよ。自分でも根性がないなと思いますが、亡くなった義理の母にも『どうするの?』と詰められていました。結婚詐欺にならなくてよかった(笑)」(原田)

原田龍二(右)と妻・原田愛(左)
原田龍二(右)と妻・原田愛(左)
【写真】2002年に長男が誕生、パパになりたての原田龍二

 また、交際中に原田さんが出演した『世界ウルルン滞在記』の体験も、彼の“結婚観”に大きな影響を与えることに。

「裸で生活するタイの山岳民族やモンゴルの遊牧民と共同生活を送ったとき、自分の中の価値観が一変したんですよね。彼らの結婚は一族の中で“契り”を交わすだけなので、婚姻届とか結婚式とか、日本的な結婚の概念に違和感を覚えるようになりました」(原田)

 タイで裸になった原田が日本らしい“結婚観”も脱ぎ捨てた結果、入籍はしたものの、結婚指輪は購入せず、結婚式も挙げなかったとか。愛さんに不満はなかったのだろうか?

「たしかに、いろいろ思うところはあります(苦笑)。ただ、彼はウルルンに出るたびにどんどんたくましくなって帰ってくるので、そこに惹かれ直した部分もありますね。現地の人と裸で交流する彼をテレビで見たときは『一応二枚目俳優なのに全裸になってる!』とハラハラしましたが、今は脱ぐのも仕事なので(笑)」(愛さん)