落雷から身を守るには

 気象庁によれば、落雷は年間に発生する落雷被害の半数が7月・8月に集中している。

外出時にゴロゴロという雷鳴を聞いたり、真っ黒な雷雲が近づいてきたりする様子があるときは、落雷がすぐに生じる可能性があります」と話すのは、防災アドバイザーの高荷智也さん。

 雷は「周囲で最も高い場所」に落ちやすい。そのため、例えば周囲に何もない場所、広場やグラウンド、海岸や木に覆われていない山頂などにいる場合「周囲で最も高い場所が自分自身」になると、雷の直撃を受ける危険性が高まる。広い場所で落雷の危険がある場合は、傘をささずに素早く避難しよう。

雷は金属に落ちるから、アクセサリーや眼鏡をはずせば大丈夫、とかゴム長靴を履けば安全、などの対策を見聞きすることもあるが、これは誤り

 落雷対象は金属の有無にかかわりなく、またゴム製品を身につけていても直撃を受ければゴムごと黒焦げになるという。

 落雷から身を守る最良の手段は、自動車(オープンカーはダメ)や建物の中へ避難すること。屋内にいれば、雷の被害を受ける可能性はほとんどなくなる。ただし、逃げ込んだ乗り物や建物に雷が直撃した場合、車のボディ、建物の外壁、室内の電線・水道管などを経由して感電するおそれが。万全を期すのであれば、車のボディには触れない、室内でも電気器具や壁から1メートル以上離れた場所にいる、などが安全。

 屋外にいて、かつ周囲に逃げ込める建物や乗り物がない場合はどうしたらいいのか。

「電柱や送電線などに架かった電線の真下にいましょう。電線が雷を引きつける避雷針の役割を果たすため、真下は比較的安全です。ただし、電柱の真横にしゃがみ込んだり、雨宿りを兼ねて木の下に入ることは避けて」

 雷が電柱や樹木に落ちた際、「側撃雷」と呼ばれる「とばっちり」を受けるおそれがあるため、高さのあるものの4メートル以内には近づかない。

 雷が建物および周囲の電線やアンテナに落ちた場合、自宅につながる電線や各種のケーブルなどをつたって電流が建物内に入り込み、電気製品を故障させることがある。対象としては、コンセントに差し込んでいるすべての家電、また電話線などにつながっている電話機やルーターなども故障するおそれが。

絶対に故障してほしくない家電、パソコン、スマホ充電器は、雷ガード、雷サージ対策などの機能がついている“電源タップ”を使いましょう。被害をなくすか軽減することができるので、ぜひためしてください