「第1回のグランプリは森昌子さん。その後、桜田淳子さん、山口百恵さんと後に花の中3トリオとなる3人を選び出し、売れたことで勢いがつきました。友達の付き添いで来ていたという小泉今日子さんは無欲で勝利した天才

 中森明菜さんは1度目は落選して2度目の登場でデビューを決めました。当時審査員を務めていた中村泰士さんが明菜さんを見て電流が走ったといい、周囲の反対を押し切って合格させたという有名なエピソードもあります。スタ誕にはまさに原石を視聴者が探すという楽しみがありました」(テレビウォッチャー)

 初代司会者の萩本欽一が合格者が出なかったときに放つ「バンザーイ、なしよ」は当時小中学生の間で流行したという。まさにお茶の間でテレビを楽しむ時代のオーディション番組だったといえよう。そのスター誕生の兄弟番組として生まれたのが、『お笑いスター誕生!!』('80年~'86年)だ。

「とんねるずを輩出したことで有名ですが、若き日の竹中直人さんなども出ていました。また、すでに頭角を現していたダウンタウンやウッチャンナンチャンといった面々も勝ち抜きバトルに出場していました。その勝ち抜きバトルではハイヒールが唯一ダウンタウンに勝ったことを語り草にしています」(同)

 バブル絶頂期だった平成元年に生まれたお化け深夜番組が『三宅裕司のいかすバンド天国』。毎週10組のアマチュアバンドが登場し、5週連続でイカ天キングに選ばれるとメジャーデビューというオーディション番組だったが……。

「尖っている若いロックアーティストが出るうえに深夜の生放送で放送事故はつきものでした。ガールズバンドが“ばかやろー”と叫びながら下半身を露出させたり、出演者が演奏中に失神したり。大人気番組だったにもかかわらずわずか1年で打ち切りになったのは、制作会社のディレクターが麻薬取締法で逮捕され、続けて構成作家も薬物逮捕されるという不祥事が続いたからといわれています」(同)

 どのみち生放送での過激パフォーマンスの連続で打ち切りは時間の問題という噂も。

 これから続々と始まるオーディション番組。あなたも伝説の目撃者になれるかもしれない。

今年、放送されたオーディション番組

『PRODUCE101JAPAN』(シーズン1'19年、シーズン2'21年/TBS系)
'19年に放送・配信された韓国の『PRODUCE101』の日本版。練習生101人から視聴者の投票によって番組に出演する60人が決定し、最終的に11人がグローバルに活躍するボーイズグループとしてデビューする。シーズン1では「JO1」が誕生、シーズン2では「INI」が誕生した。シーズン2ではダンストレーナーのKENZO(DA PUMP)の喜怒哀楽も話題に。

 

『THE FIRST』('21年4月~現在も)
AAAのSKY-HIによるプロデュースオーディション。『スッキリ』内で放送し、Huluで配信している。出場者よりもSKY-HIに目がいくという意見も。