親からの虐待の果てに辿り着いた“トー横”
NPO法人若者メタルサポート協会の相談員、竹田淳子さんは歌舞伎町に集まっている若者について、
「“トー横キッズ”をよく見ます。飲酒をしていたり、女の子同士が話していたり。そこに男の子が声をかけたりしていますね。以前の歌舞伎町なら、グループが集まることはなく、基本的には1人で徘徊したり、集まっても2、3人だったのではないでしょうか。最近はSNSでつながって集まってきている印象です」と話す。
歌舞伎町で徘徊する若者たちはどんなタイプなのか。
「普通の子に見えていても、家族や学校に居場所がなかったりします。例えば、親からの虐待を回避するために居場所を求めてたどり着いたという子たちもいます」
“トー横キッズ”の中で自殺者が出たが、前出のあまみやさんは「警察の事情聴取で、自殺した人たちの原因を聞かれました。最初の2人は家のことでちょっと悩みを抱えていたようです。翌週、同じホテルから男性が飛び降り自殺をしている。3人目はよく知っている10代の子でびっくりしました。死ぬって感じじゃなかったので……」と驚きを隠せない。
最初の2人が飛び降りる直前の様子を知る人がいる。サラさん(10代・仮名)だ。ホテルのエレベーターを待っているときの表情を見た。
「そのとき、2人とは会話はしていないのですが、暗い様子でした。(市販薬の)ODの後だったらしくて、結構目がパキッた(キマった)後のような目をしていました。2人が亡くなったことを知ったときは、ショックで泣き叫びました」
亡くなった男性と思われるアカウントには5月4日、ODをしたと思われる市販薬を映し出した動画がアップされ、《パキるが〜!!!!》と投稿されていた。ODを繰り返していたのだろうか。
「(亡くなった2人は)今年の4月から来ており、そこで親しくなり、連絡を取り合っていました。トー横に集まる若者たちの中には、精神的に不安定な若者も多く。そこで、市販薬のODや飲酒をすすめられたりします」(サラさん)