【やりがち健康法6】
コレステロール値が高いので、揚げ物や肉を控えている

●がんになる確率が高いのは、むしろコレステロール値が低い人

「そもそも、コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料として体内で作られている重要な存在。しかも、健康に最適な数値がわかっていないにもかかわらず、悪者扱いされています」。じつは、最近の研究では、コレステロール値が動脈硬化や心筋梗塞の発症に影響がないことが判明。むしろ値が高いほうが、免疫が活性化し、がんの発生率や脳卒中、感染症などの死亡リスクが下がるという調査結果も多く報告されている。「心臓が悪くなければ、総コレステロール値は300mg/dlまで心配ないと思います」

【やりがち健康法7】
病院に行くと必ず薬を処方してもらう

●薬には副作用があり、病気の治りが悪くなることも!

「薬さえ飲んでいれば安心という人もいますが、どんな薬でも副作用があり、身体への負担は免れません。高齢になるほどその影響が大きいことをお忘れなく。アメリカで医師のために書かれた『ドクターズルール425-医師の心得集』という本には、“老人のほとんどは、服用している薬を中止すると体調がよくなる”とまで書かれています」。一般的な消炎鎮痛剤も痛みを抑えるために血流を抑えるので、継続的に使うと病気の治りが悪くなる。

これはOKな習慣
健康番組よりお笑いを見る』

「平常時の身体の免疫力を左右しているのがNK細胞というリンパ球。これは精神状態に大きく左右される存在で、楽しいと活性され、ストレスを感じると働きが衰えます。ですから、免疫力を高めたいなら、落語やバラエティー番組を見て笑うのが得策。健康番組などを見て、必要以上にナーバスになると免疫力が下がってしまいます」

イラスト/上田惣子
イラスト/上田惣子

【やりがち健康法8】
70歳を過ぎたので、がん検診は欠かさない

高齢者はがんを見つけて手術をしても余命はほぼ変わりなし!

 がん検診で早期発見し、手術や治療をするほうがよいのは、60代まで。「がんの種類や進行度にもよりますが、70代以上は手術や治療の有無で余命はほぼ変わらないケースが多い。その年代になるとがん細胞も元気がなくなり、進行が遅くなるからです。実際、がん以外で亡くなった70歳以上の人を病理解剖すると気づかず抱えていた小さながんが見つかることも多いです。手術や放射線治療を行うことで、逆に日常生活が制限され生活の質を落とす心配のほうが大きくなります」

【やりがち健康法9】
身体を動かすのが大好きなので、毎日バリバリ運動

●激しい運動は免疫力を下げて病気の原因に!

「激しい運動を行うと、がん、生活習慣病、老化などさまざまな病気の原因となる大量の活性酸素が発生。免疫力も下がり、風邪や感染症にかかりやすくなります。一見、健康に見えるスポーツ選手に寿命が短い場合があるのはこのためです。特に、40代以降は体内の活性酸素を無毒化する作用が衰えるので、ジョギングなどは控え、散歩などの“ちんたら”運動に切り替えましょう」。1日を通じて合計1時間程度のウォーキングができればOK。

【やりがち健康法10】
酒・甘い物は身体に悪そうなのでやめている

●何事もほどほどが身体にプラス!

「アルコールやタバコなどは身体に悪いイメージがありますが、過剰でなければほどよい刺激となり、身体に修復力をもたらすので長生きにつながります」。二日酔いしない“適量”であれば、お酒を毎日飲んでも大丈夫。また、「何でも言い合える間柄の人と食事をしながらお酒を飲むとストレス発散になり、免疫力が上がります。甘い物もリラックスした時間をつくるのに最適。お酒も甘い物もあくまで“適量”であれば、ストレスを上手にコントロールする手助けになります」