台湾発! 包丁で身体を連打!?
タピオカミルクティーの次は台湾カステラと、次々とヒット商品が生まれるスイーツ天国の台湾。甘いものに目がない国民性のせいか、台湾衛生福利部が2019年に発表したデータでは、18歳以上の約48%が肥満とされている。
そんな台湾で、ダイエットに効果ありと人気の民間療法が『刀療(とうりょう)』。刀療師と呼ばれる施術者が、横たわる人の全身を2本の包丁で切り刻むように叩いていく。想像するだけでゾッとするが、実はこの包丁には刃がない。重たい包丁で全身を叩くことでツボを刺激し、身体を整えるという方法だ。
「ツボ治療の理論では、身体には経絡というエネルギーの通り道があり、この道に沿ってツボが存在するとされています。身体中のツボを刺激することで滞った経絡の流れをスムーズにし、むくみを改善していきます」
ツボを刺激するのであれば、包丁で叩くよりも指圧のほうが確実な気もするが……。
「たしかに(笑)。刀療は、もともと中国で悪霊祓いの儀式として行われていたそう。ツボ治療というよりは、観光客相手のパフォーマンスの意味合いが大きいでしょうね」
このほかにも台湾には、ツボ刺激を利用した『埋線(マイシェン)』というダイエット法も。
耳や足には“やせるツボ”が集中しているが、なんとこのツボに羊の腸でできた、羊腸線を鍼で埋め込むというもの。体内で糸が溶けるまでの2週間ずっとツボが刺激され続けるため、指圧や鍼治療より効果的というわけ。ただし、免疫系の病気や糖尿病、心臓疾患のある人などは注意が必要だという。
「ツボを刺激し続けたいのなら、昔から行われている『置き鍼』で十分。安易に受けるのはおすすめしません」
低カロリー&低脂質の“食用カンガルー”
オーストラリア大陸と、その周辺の島々にのみ生息するカンガルー。この地域の大手スーパーでは食用カンガルー肉が販売されており、ダイエットに励む人々やアスリートに重宝されているという。驚くべきはその栄養価。
「牛豚鶏の肉と比べて、カロリーもコレステロールも圧倒的に低いんです。脂質に至っては、牛肉のおよそ20分の1。ヘルシーなだけでなく、タンパク質とヘム鉄を豊富に含んでおり、共役リノール酸の含有率はすべての食品の中でトップです」
共役リノール酸とは、ヒマワリの種や、牛乳などの乳製品にわずかに含まれる不飽和脂肪酸の一種。脂肪燃焼や筋肉増強の効果が期待され、ダイエットサプリメントの成分としても注目されている。
「最近は日本でも、ネット通販で入手可能です。さらに、現在流通しているカンガルー肉はすべて野生。飼育肉のように、添加物入りのエサや抗生物質を投与されている心配もありません」
低カロリーで栄養価が高く、安全に育ったカンガルー肉は、まさにダイエット向きなのだ。
「ダイエットに取り入れるなら、いつものお肉をカンガルー肉にかえてみるのも一考です。ひとつ心配なのは、そのお味(笑)。実際に食べた人の評価は二分しており、焼きすぎると臭みが出て、ぱさぱさになるという声も。まずは少量のお取り寄せから始めたほうがいいかもしれません」