「婚活市場の女性はやる気があるのか!」と批判する前に

 先日、入会面談に来た男性、吉田さん(41歳、仮名)が、こんなことを言いました。

婚活を始めて、4年になります。婚活本も読み漁ったし、交際に入ったら、毎日LINEを入れて、なるべく1週間に1度は会おうと、デートに誘っているのですが、お見合いの後に、1、2度食事をすると交際終了が来てしまいます」

 さらに彼は、こんなことも言いました。

「結婚相談所にいる女性というのは、こちらが一生懸命にアクションを起こしているのに、やる気があるのか、ないのか。LINEの返事は遅いし、デートに誘っても反応が悪いし。本気で結婚を考えている人が少ない気がするんですよね」

 そこで、私は吉田さんに言いました。

「確かに結婚相談所に入っていても、自分から行動を起こさず、やる気が感じられない女性たちはいます。ただ、動ける女性だったとしても、お相手が吉田さんだから、反応を鈍くしているのかもしれませんよ。毎日メールを入れたり、週に1回は会おうとデートに誘うのは、婚活をうまくいかせるためにはとても大事なことです。ただ‥‥」

 婚活の出会いと生活圏内の出会いは、性質が違います。生活圏内の出会いは、職場や自分の行動範囲に相手がいて、顔を合わせているうちに気持ちが育ち、恋人同士になったり、結婚をしたりする。つまり、気持ちが先行して結果が生まれるんです。

 ところが、婚活の出会いは、それまで全く違う環境で暮らしてきた男女が、“結婚”という目的のために出会い、交際をスタートさせます。気持ちの部分は空洞なのに、結婚に向けて歩き出すんです。ですから、できるだけ多くのコミュニケーションを取って、お相手を知って、お相手を好きになる気持ちを育てていかないといけないのです。

 私は、吉田さんに言いました。

「毎日LINEを入れる。1週間に1度デートをするというのは、婚活をうまくいかせるためのアクションに過ぎないんですよ。大切なのは、そうしたアクションを起こしながら、お相手の気持ちを手に入れていくことです。1回目のデートを終えたときに、『次もこの方に会いたい』と思わせないと、女性の反応は日を追って悪くなっていきますよ。

 そして、相手の気持ちが今どこにあるのか、こちらを向いているのか、それを確かめながら進めていかないと、ひとりよがりの一方通行になってしまいます。こちらがいくら頑張っても、相手からは“交際終了”が来てしまいます

 “自分はこんなに一生懸命に頑張っているのに、婚活市場の女性は、やる気があるのか”と相手のせいにするのではなく、婚活がうまくいかない人たちは、自分の考え方や行動を見直してみるといいですね。

 結婚は、選ぶことと、選ばれることがイコールになったときに成立するのです。自分だけ、“結婚したい”と意気込んでいても、そこにお相手の気持ちが合わさらなければ、結婚することはできません。

 婚活にとって大切なのは、お相手の気持ちが今どこに向かっているのかを、しっかり見極めながら、関係を進めていくことです。また、こんな言動をしたら、相手がどう思うか、どんな気持ちになるのか、その想像力も大切ですね。


鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。新刊100日で結婚(星海社)好評発売中。公式サイト『最短結婚ナビ』 YouTube『仲人はミタチャンネル