そんな50代での1位は、『太陽にほえろ』(日本テレビ系)。'72年7月から'86年11月まで、全718回放送された。60代でも支持を集め、1位になっている。
2世代で1位『太陽にほえろ』
「アクションシーンがリアルで、今のドラマと違って物語に人情味があったと思います」(神奈川県・51歳女性)
「刑事それぞれのキャラクターが個性的で、そのみんなが全員カッコよかった」(東京都・55歳女性)
「ブラインドを指で広げて窓の外を見る、ボスのしぐさをまねしていました」(神奈川県・52歳男性)
「あだ名で呼ばれる新人刑事とベテラン刑事のコンビで事件を解決するところがよかった」(秋田県・60歳女性)
との声。刑事ドラマの“王道”といってもいいくらいの作品。“青春アクションドラマ”と銘打ち、刑事を主役に据えたこのドラマ、当時としては、それまでの作品とは違うことをやっていたと田幸さん。
「お互いを愛称で呼ぶということ。あれは発明ですよ。竜雷太さん演じた“ゴリさん”、小野寺昭さんの“殿下”、松田優作さんの“ジーパン”。こういった愛称をつけるからこそ、愛着を持って見ることができました。
うまいシステムになったのが、殉職ということで新しい役者さんを入れる新陳代謝のスタイル。これも『太陽~』以前には、ほぼありませんでした」
今なら放送できない『西部警察』
また、その殉職についても、
「役の死に方に、俳優さんご自身のアイデアを入れていたそうです。それぞれが演じたキャラに対する美学みたいなものを感じる部分もありますね」(田幸さん)
『太陽にほえろ』に出演している石原裕次郎さんで思い出されるのが、石原軍団の『西部警察』(テレビ朝日系)。各世代とも5位までにランクインはしていないが、40代で6位、50代で7位、60代で8位という成績に。
カーアクションや派手な爆発シーンが多く、ドラマウオッチャーの間では評価されているのだが……。
「今回は女性が8割のアンケートなので、そこまで票が伸びなかったのでしょう。石原軍団という“男臭さ”はあまり女性ウケしないと思いますし(笑)。
ただ、爆破シーンで使用している火薬の量とか、カースタントなどをCGではなく実写でやっているのはすごい。今の時代では絶対にできない撮影だからこそ、改めて見ると女性も当時より盛り上がると思います」(田幸さん)