MCの武井は番組でショーについて「イルカに無理をさせてない」と話した。
「ショーでさせている動作自体が、野生では行わない不自然なものばかりで、まさに“無理をさせる”ものです。浅いプールで、体長2~3メートルにもなるハンドウイルカに高いジャンプをさせたり、速いスピードで泳がせたりすること自体、イルカに無理を強いています。イルカたちは、床や壁に体を激突させないよう、体をくねらせたり無理なターンを強いられたりしています」(前出・東さん)
しながわ水族館に虐待や今回の番組の件、ショーの継続などについて問い合わせたが、「すべての質問にお答えできません」という返答。
芸をしないことが「間違い」
同様の質問を、番組を制作したCBCテレビにも問い合わせた。
「'15年に、WAZA(世界動物園水族館協会)の決議を受け入れ、JAZA(日本動物園水族館協会)は“会員施設への追い込み漁からのイルカの導入を禁止”しています。しながわ水族館はJAZAの会員であり、WAZAの決議に則り、また法律や協会のルールを順守し、イルカを含む動物たちの飼育、施設の管理を適切に行っていると認識しています。
『BACKSTAGE』は、さまざまな現場で働く人々の仕事への思いを伝えることを番組のコンセプトにしています。今回は、そのコンセプトのもと、上記でお伝えしたことを踏まえて取材を行い、番組を構成いたしました。放送をご覧になった方のさまざまな声については、貴重なご意見として承りたいと考えます」
飼育や施設の管理を“適切”に行っているのであれば、水族館側はこちらの質問に、誠実に答えられるはず。両者に“認識”のズレがあるのだろうか……。
番組HPには今回の放送について以下の紹介文が載せられている。
《言葉がわからないイルカに「演技を覚えさせる」だけでなく「間違いを直す」方法とは?》
《集中力が続かないミント君。根気よく向き合い「間違い」を正す方法とは?》
イルカのミントは番組中、芸をしない場面で多数“間違い”とナレーションが当てられた。人間のために海で暮らすはずが水槽に入れられ、望んでもいない芸をしないこと、覚えないことははたして“間違い”なのか……。