「部屋にゴミが溜まっていっても、動く気力がありませんでした」
だが、昨年7月に現在交際している彼とのつきあいが始まったことで気持ちが前向きに変化。オンライン授業をなんとかこなし、卒論を提出。やがて就職先が決まり、卒業も出来た。お酒を飲む頻度は減ってきたものの、ゴミはかなり溜まっていた。今年の4月から社会人になったのだが……。
ゴミ屋敷に認定される基準
そして今年4月、社会人になると、就職先が「超絶ブラック企業だった」と金森さんは嘆く。
募集時とは異なる待遇、新入社員にはこなせない仕事量、パワハラ体質……1か月もせずに退職してしまった。再び自宅にこもり、ゴミの中で暮らす生活に戻る。
そんな彼女を見かね、交際中の彼が金森さんの部屋をたびたび掃除をしてくれたのだ。たしかに取材日も強烈な臭いはしなかった。聞けば、交際相手が弁当の容器や生ゴミ類を処分してくれたという。
「彼と同棲を始めるので、ここから引っ越すことになったんです。今はすでに別の部屋で暮らしており、ここを引き払うため業者に室内の掃除をお願いしました」
費用は約9万円。決して安くはないが、自分では片づけられずに切羽詰まった状況で、背に腹は代えられない、と金森さんはプロに清掃を依頼したのだった。必要最低限の物以外は、全て処分することを決意する。
掃除を担当した『ゴミ屋敷バスター七福神』の担当者はこう話す。
「猫の排泄物も含めて相当汚れています。典型的な汚部屋ですね。ただしゴミが乾燥しているので臭いは少ないほうです」
担当者はテーブルの上に残った飲み残しの缶を指さし、「ゴミ屋敷には必ずと言っていいほど、飲み残しの缶やペットボトルが3つ以上放置されています。自分の家でもそれがあったら黄色信号です」と指摘する。
実は金森さんは、子どものころから片づけることが苦手だったという。