動物園というには狭すぎる園内。少し広めのペットショップといった感じだ。まず驚いたのが、ニワトリやアヒル、カメ、マーラなどが放し飼いにされていること。フクロウやインコもケージ内ではなく、そのまま木に止まっている。

 体長120㎝近くある巨大な鳥・ハシビロコウすらケージに入っていない。いくら“動かない鳥”とはいえ、噛みつく危険性のある動物の放し飼いはいかがなものか。

それでも「合法」な理由

 翌日再び訪れて、同園の代表にこちらの正体を明かすと驚きを隠せない様子。そして口から出たのは、2年前の報道に対する恨み節だった。

「あの一件で悪者にされて、一気に仕事が減って、それでコロナでまたぐんと仕事がなくなったんですよ。動物たちもどうなるのかわからなかったし、私たちスタッフも……」

 この発言で、堀井動物園の関係者であると認めたことになる。名を変えて堀井動物園を再開することは違法なのでは?

「違います。この動物たちは堀井さんから譲渡されたので、法的にはまったく問題ないんです」(同・同園代表)

 堀井園長と同園の関係について前出の東代表はこう指摘。

「実態として、同園の動物の管理等には今でも堀井園長が関与しているのは明らかです。旧堀井動物園の飼育場にはまだ動物がたくさん残っていて、その世話をしているスタッフと、同園のスタッフは共通で、同じ人たちが世話をしています」

噛みつく危険性もあるハシビロコウをケージに入れずに展示
噛みつく危険性もあるハシビロコウをケージに入れずに展示
【写真】2年前、飼育場前に放置されて白骨化した羊の頭部

 法的な問題は本当にないのか─。同園を、監督・指導している滋賀県動物保護管理センターに話を聞いた。

「同園は堀井さんの奥様がやっているイベント会社が申請したものなので、合法なんです。堀井園長自身は役員でも責任者、申請者でもなく、あくまでイチ従業員という立場で関わっていますからね」

 同園の飼育環境に関しては、

「利用者や近隣住民から狭い、汚い、臭いなどといった苦情がまったくないわけではありませんが、優・良・可・不可でいえば、可。60点で及第点といったところです」(同・滋賀県動物保護管理センター担当者)

 合法的に動物園を再開した堀井“元”園長を直撃した。