男にだらしない母親が反面教師
さちえさん(30歳、仮名)には、26歳のときから4年お付き合いしていた男性がいました。30歳を目前にして、“そろそろ彼と結婚したい”と思っていた矢先に、その恋人から、フラれてしまいました。フラれた原因は、彼の心変わり。3か月前に婚活アプリで出会った女性とさちえさんを二股にかけ、結局新恋人を選んだのでした。
入会面談に来たさちえさんは、時折涙をこぼしながら言いました。
「私の母は、男性にだらしない人でした。小さかったときに母に連れられて出かけ、父ではない男性とファミレスでご飯を食べた記憶もあります。その男性が、ときどき変わるんです。それが、浮気相手だったとわかったのは、小学校中学年のころでした。私が家で1人で留守番できる年齢になると、母はだんだん私を連れて行かなくなりました。それからは深夜帰宅したり、帰ってこなかったりが続き、とうとう離婚になりました」
離婚は、さちえさんが中2のときだったと言います。
「父は、母の浮気を知っていたと思います。夫婦でどんな話し合いをしていたか、私はわからないけれど、母の帰りが遅いときには、父が夕食を作ってくれました。そんな優しい父を置いて、私のことも放っておいて、男性に走っている母が腹立たしくてならなかった」
離婚後、母親はほかの男性と暮らし始めたそうです。
「そんな母を見て育ちましたから、私は、自分が好きになった男性は裏切りたくない、大切にしたいと思っていました。だから、彼と4年お付き合いしていたときも、ほかの男性に目移りすることもなかった。彼だけを見て、彼だけを大事にしていたんです。それなのに浮気されちゃって。私が、『あなただけしか見ていなかったのに』と言ったら、『そういうところが重くて嫌なんだよ。これまでも、たまに浮気していた』っていうんです。父が母からされたことを、私は恋人からされたんですよね。正直者がバカを見るというか」
そして、こう続けました。
「私が結婚に望むものは、パートナーを大事にできるごく普通の生活です。口先だけの調子のいい男性ではなく、ひとりの人を大事にできる男性を探したいです」
さちえさんは、見た目にこだわるよりも、とにかく誠実な男性を探したいと、今は、果敢にお見合いに取り組んでいます。世の中には、平気で浮気や不倫をする人たちもいますが、ひとりの人を大切にして生涯愛し続ける人もいます。さちえさんには、後者の男性に巡り会ってほしいなと思います。