「日本に戻ってきた理由がある」

 今月18日に自身のSNSで“におわせ”をツイートしてから約10日。『北海道日本ハムファイターズ』の監督に、新庄剛志の就任が決定した。

「サプライズ人事にもほどがある……!!」と思った人も少なくないだろう。新庄は'06年の現役引退以来、指導者としての経験はゼロ。そんな新庄氏になぜ白羽の矢が立ったのか。

観客数が右肩下がり

「今季、チームは最下位に低迷しました。中でも貧打は深刻で、打率、得点ともにリーグワースト。3年連続でBクラスからの浮上を第一に考えるのが自然な流れですが、球団が求めたのは、勝つことではなく“人気と知名度”だったんです。そのウラには'23年に北海道の北広島市で開場予定の新球場『エスコンフィールドHOKKAIDO』の存在が大きく関係していると言われています」(スポーツ紙記者)

 日本ハムは、現在ホーム球場のある札幌から北海道中部にある北広島市へ移転する予定だ。『エスコンフィールドHOKKAIDO』の収容人数は3万5000人で、球場内には温浴施設や宿泊施設、子供の遊び場も完備され、メジャーリーグのボールパークさながらの施設となっている。

現役時代の新庄剛志('04年・沖縄キャンプ)
現役時代の新庄剛志('04年・沖縄キャンプ)

「新球場の周りには『ボールパークビレッジ』として複合施設もあり、野球ファン以外も楽しめる構造にはなっているものの、北広島市という場所は札幌に比べれば郊外。新千歳空港からは車で30分、札幌市内からも30分かかります。

 しかも、日本ハムの観客動員数が年間200万人に達したのは、大谷翔平(現エンゼルス)のいた'17年が最後。コロナ禍による影響があった昨年と今年を除いても右肩下がりなんです。日ハムにとっては集客力回復が目下の目標で、そのためにチームの顔となる存在が必要になったのです」(同・前)

 スター選手たちは球団を去り、活躍を期待されている若手選手らもパッとしない成績で、現在の日ハムには「観客を呼べる選手がいない」状況だという。