「ロシアでは、新たな変異株『AY.4•2』も発見されています。一部ではデルタ株より10%ほど感染力が増しているという発表がありますが、まだ情報が少ない。
ロシアは、ワクチン接種率が低いので感染が拡大しやすい。感染が拡大しやすいので変異株が登場しやすくなるという、いわば負のスパイラル状態なのです」(村上さん、以下同)
『ロシア杯』の開催までは、残り1か月を切っている。
「ロシアが独自で開発したワクチンは、“表面上”は効果が高い。しかし、国民からの国産ワクチンに対する信頼性が低く、接種が進まない。なので、1、2か月で状況が改善するような見込みはありません。ロシアは当面“ダークスポット”といえるでしょう」
ソチで開催されるメリット
今のところ、『ロシア杯』は開催される予定だが……。
「羽生選手は、昨年のコロナ禍でのグランプリシリーズを気管支ぜんそくの持病を理由のひとつとして欠場しています。感染が拡大している地域での試合には、人一倍不安を抱えていると思うのですが……」(前出・フィギュアスケート関係者)
しかし、前出の折山さんによると、昨シーズンの経験を活かせば乗り切れるそう。
「“どういうふうに感染を防げばいいか、だんだんわかってきている”と羽生選手本人が言っていました。大会の運営側も、ノウハウができてきています。そういう中での、細心の注意を払っての開催なので、大丈夫だと思います」
ソチで開催されることも、安心材料のひとつ。
「スケートの大会はすべて“バブル方式”という、選手やスタッフを泡の中に入れるように外部と接触させない方法で行っています。
モスクワなどの都市と比べて、『ロシア杯』が開催されるソチは人口が少ないので、外部との接触機会は減らしやすい。なので、開催に影響はないと思います。
羽生選手は、バブル方式での試合も昨シーズンに2回経験しています。そこでの対処の仕方もある程度わかっています」(折山さん)