“怒らせたら勝ち”で視聴率アップ

 この「わざと怒らせる」のは太田に限らず、選挙特番における常套手段だとも。前出の報道番組ディレクターが明かす。

「ニュースに政治家が出演した時にも言えますが、例えば党員の汚職や不祥事、政策の矛盾点や公約違反などは徹底的にしつこく追及します。それこそ太田さんほどでなくとも、少々煽るような言い方をするよう指示が出ることも。すると、それまで平静を保っていた政治家がイライラして本音をこぼしたり、不満げな表情が大写しされるのです。

 そうなればもうこちらの“勝ち”で、“はい、お時間です。ありがとうございました!”と中継が切られることも。今回もテレビ東京系で特番を任された、“池上無双”でお馴染みの池上彰さんにも通じる手法ではないでしょうか」

 さらに、最近の司会者やMCに見られがちなのが、“独りよがり”のインタビューだという。前出の与党関係者もうんざりした様子だ。

とにかく前にしゃしゃり出て持論を話したがる。1つの質問において、まず自分が言いたいことだけを長々と主張して、相手側の答えを最後まで聞かずに“はい、時間です”と(苦笑)。知ったか風で自身の能力を高く見せたがる司会者が多いのです。本来は政治家が何を考えているのかを聞き出して国民に届けることが彼らの仕事のはずですが、局側も視聴率さえ取れればいい。太田氏の振る舞いも“よし”としていたのではないでしょうか」

 蓋を開けてみれば、選挙特番を制したのはNHKで世帯視聴率17.7%を記録。一方で、6.2%と民放最下位に沈んだのはTBS系だった。どうやら政治家だけでなく、視聴者の機嫌も損ねていたようで。