韓国女優のツンとした鼻に憧れる若い女性も
目に次いで人気のパーツは「鼻」(9.6%)で3位にランクイン。鼻の低さに悩んでと回答する人が多かったが、「団子鼻で、見栄えが悪いので整形しました」「ワシ鼻なため」など、形を気にしている人も。
最近では、ヒアルロン酸を注入して鼻を高くしたり、溶ける糸を入れて鼻先を高く持ち上げる手軽な施術が根強い人気だそう。また、プロテーゼを入れたり、耳の軟骨を鼻先に移植する『耳介軟骨移植』といった比較的大掛かりな手術の需要も増えているという。
「鼻の整形需要は増えているのですが、中でも小鼻を気にする人が前より増えていると感じます。笑ったときに小鼻が広がるのを嫌がる若い女性が多いんです。団子鼻でないのに本人は団子鼻だと言って気にしていて、小鼻縮小手術を希望される。インスタなどで、韓国の女優のツンとした鼻を見慣れているせいもあるのかもしれません」(磯野医師)
入谷医師によれば、鼻は高さや形など、デザインのこだわりが強い人も多いという。
「患者さんの中には、“この芸能人と同じような高さ、細さにしてほしい”と言われる方もいますが、思い通りの形にならないこともあります。また、例えば丸顔で童顔の方が鼻だけツンと高くても不自然に見えてしまうこともあるので、自然で美しい鼻になるためにはその方の顔に合った形にすることが大切です。手術前に医師としっかりカウンセリングを行うようにしましょう」(入谷医師)
“ヒアルロン酸はエチケット”の時代
そして鼻を押しのけて2位に食い込んだのが、ヒアルロン酸・ボトックス注射などによる「シワ取り」(15.6%)。「ほうれい線や年齢ジワで見た目がかなり老けて見えたので」「眉間にシワがあり、怒っていないのに、誤解されてしまう」など、目尻・眉間・ほうれい線に悩んで整形したという人が多く見られた。
「美容整形とひと口に言っても、いわゆる美しい顔を目指す整形と、若さを目指す整形の2本の柱があります」と入谷医師。ここ数年は、シワやくぼみを解消するヒアルロン酸やボトックス注射、たるみに効く『ハイフ(ウルセラ)』や美肌になる『IPL』など機器を使ったアンチエイジングメニューが特に人気だという。
「以前は整形ってものすごくハードルが高かったと思うんですが、20年くらい前にプチ整形が流行り始めてから、エステとの差が縮まってきた気がします。神田うのさんが以前 “ヒアルロン酸はエチケット”だとおっしゃっていましたが、そういう認識が広まったのか、気軽にアンチエイジングの整形をする人が多くなりました。美容院に行く感覚で、定期的なメンテナンスを数か月に1回はされる方も。昔に比べると10歳くらい若く見える患者さんが増えてきて、顔とカルテの年齢を見比べて、あれ!? と驚くことも多いです」(入谷医師)
中年以降の加齢による悩みを解消するだけでなく、最近はなんと20代からアンチエイジング整形をするケースも急増しているという。磯野医師が続ける。
「以前は加齢現象が出てしまってから施術を受ける中高年が多かったのですが、いまは20代前半から先手を打って『糸リフト』やボトックス注射をする方が増えています。糸リフトは溶ける糸を顔の数か所に入れて引っ張り上げ、ボトックス注射はシワができる前に打つ。20代なら当然、まだたるみやシワはないわけですが、やっておくと将来の予防になるということなんですね」
まさに転ばぬ先の杖。それほど今の若い女性は、加齢に対する恐怖心を持っているということなのかもしれない。
しかし磯野医師によれば、『糸リフト』は痛みや腫れも少ないが、半年から数年単位で糸が溶けていき引き上げ効果も落ちていくという。ボトックス注射も効果は半年程度、ヒアルロン酸も徐々に体内に吸収されていくので、効果を維持し続けたい場合は定期的に施術を受けることが必要になる。