主催者の本当の狙い
『賞を獲る方法』の料金は、2万7000円と、強気の価格設定である。
「内容は、協会会長が動画で説明する、言ってしまえば情報商材みたいな感じですね。出だしで“唐揚げの賞の中では現在いちばん大きく、権威ある賞といわれている”と話しています。確かに、世の中に浸透しているし、規模も権威も事実ではあるでしょうね。
中身は、材料費・人件費・家賃である“FLRは忘れる”とかいろいろとツッコミどころが満載でした。でも、大事なのは20数本ある動画の最後のほうの動画で。というかこの商材はココを言いたいんだろうなと」
協会がいちばん言いたいこととは何なのか。会長は『からあげグランプリ(R)の闇』なる動画で、
「賞は買えると言われるが、われわれ役職者でもいじることはできません」
「IT企業を起業しているので、これで儲けなきゃいけないところないんですよ」
などと“お金”の動きがないことをアピールしている。
「商材は最後に“特典映像”があります。そこでは“獲ったらすごいことになるグランプリ”で、金賞・最高金賞を獲得した店で、協会からの依頼に賛同してくれた店の“唐揚げの味”と“看板”を使うことのできる『フランチャイズ』を紹介しています。このフランチャイズをやっているのも、もちろん日本唐揚協会です」
会長は動画内で、「コストは通常の10分の1以下」だと、その安さをアピールする。
「初期費用の値段は60万円だそうです。まぁ確かにフランチャイズとして高くはないと思います。唐揚げ店は30万円でできたりするので、安くはないですが。もちろん受賞店の味を使えるならメリットもあるでしょう。
しかし、主催者側がこのフランチャイズをはじめ、グランプリに出なくても、お金を出せば、グランプリで金賞や最高金賞を獲った店の味と看板を使えるのであれば、これは間接的に“賞を売っている”にほかならないのではないかと思いますね……」
動画以外にも“宣伝”はある。動画を購入すると、会長からのメールマガジンが届くようになる。以下はその文面だ。
ある仕組みを使えば、
1)唐揚げのハイブランドであるからあげグランプリ(R)最高金賞 金賞 受賞ブランドを利用可能
2)味も看板も店構えも今のまま(常連さんはそのまま)
3)初期費用は研修費60万円のみ(通常の1/10)ロイヤリティ0円
これが可能です。
「たしかに“受賞の資格”を売っているわけではないのかもしれません。でも、この形は、“賞を売っている”と私は思います。
あと、フランチャイズについて会長が話す“説明会”の参加費として500円かかるという(苦笑)。普通、もしよかったらフランチャイズに入ってねという説明会にお金とりますかね……?」