TBSで『THE TIME,』の後に続く『ラヴィット!』は、3月末から放送がスタート。MCは、お笑いコンビ・麒麟の川島明。
「とても器用な人で、MCに選ばれたのも納得。ほかの番組とは違う路線でやっているのも、私は評価したいなと思います。ただ、芸人さんが多い番組を朝から見たいという人はまだ多くないから、その部分が視聴率の苦戦につながっているのかなと」(倉田さん)
川内さんも、実力以外の部分での苦戦を憂慮する。
「放送が始まったときはちょうどコロナの感染拡大が懸念されていて“日本でいちばん明るい朝番組”と言われてもピンとこなかった。コロナ禍がひと区切りついて視聴者側に余裕ができれば、優秀な司会ぶりが目に留まるのでは」
MCの実力は確かだが、ペリーさんは今後の展開に課題があるという。
「すでに関係性のできている芸人の方々とのやりとりは、場合によっては“内輪ウケ”のように見えてしまうことも。そこからどう違う側面や番組の目玉となる部分を作っていくか、というのは気になるところです。“朝の生放送”である価値を出せるようなコーナーができると、よりパワーアップすると思います」
合計点は22点。抜群の司会力が徐々に注目を集めてきているが、番組と世間の温度差には要注意。
NHKから“鞍替え”した大越氏
ここまで今年スタートした番組のMCの活躍を振り返ってきたが、5人目は老舗『報道ステーション』の新たな看板キャスター、大越健介。
「番組側に迷いがあるのかなという感じ。試行錯誤の結果に起用されたんでしょうけど、どっしりと構えられる“重し”みたいな存在がほしかったのかと思います。ただ、それにしては意見の鋭さは感じられないし、どんな人なのか色が見えない」(倉田さん)
どうやら方向性が定まっていないのは、番組だけではない様子。
「共演の小木逸平アナとの役割の差別化がうまくできず、キャラクターが似てしまっています。メインキャスターとして突飛なことを言うわけにもいかないし、今はまだ番組内での立ち位置を探っているのではないかと。NHK時代は意見をはっきり言っていたし、もっと自分の色を出していいんじゃないかなと思います」(ペリーさん)
川内さんは、もう1つの課題を指摘する。
「知識の深さや人柄のよさは文句なしですが、MCとしての“華”に関しては、タレントの方たちにはどうしても負けてしまう。民放の番組でメインキャスターを務めるには、視聴者の目を惹きつける魅力が必要になってきますから、もう少し“民放仕様”にシフトチェンジしてみては」
合計点は19点。NHK時代は国政に鋭く切り込んだ元政治記者も、民放では苦戦中。