世紀の祭典も“余計な言葉”だらけ
【五輪部門】
<大賞> 張本勲
「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね。こんな競技好きな人がいるんだ」
<次点>
森喜朗
「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」
トーマス・バッハ IOC会長
「目指すのは万人が安全な大会。万人とはアスリートであり、各国選手団であり、チャイニーズピープル」
河村たかし
「歯が食い込むようなかみ方はしていない。跡はついとらんと思う」
メダルラッシュに沸いたオリンピック・パラリンピック。失言の数も負けていない。
なんといっても、これまで「神の国」「必ず転ぶ」といった数々の失言を繰り返してきた森喜朗の盤石さが目立つ。「有名人は田んぼを走ったらいいんじゃないか」という失言もあった。
「森喜朗、河村たかし、張本勲……彼らは根底に女性は見下すものという価値観がある。女は、“結婚しろ”“子どもを産め”“歯向かうな”といった本音が私には透けて見えます。
俺ファーストであり男ファーストなんですよ。そういう人たちが領袖であったり、ご意見番として重宝されていることにめまいがします(苦笑)」(吉田さん)
そのうえで、中川さんは「張本勲が謝罪をするまでに至ったのは大きな変化」と語る。
「張本さんは、以前にもカーリングのVTR後に、“この子たちは掃除好きでいい奥さんになるよ~”といった趣旨のトンデモ発言をしているのですが、そのときは騒動にはなっていない。今回の発言も彼からすれば通常運転なんだけど、世間は許容しないことが示された。
謝罪といっても隣の唐橋ユミさんが謝って、本人は“気をつけます”しか言ってないものの、ついに張本さんの発言も許されなくなってきたかという印象」(中川さん)
少し前なら笑ってごまかせたかもしれないが、森喜朗は辞任、河村たかしは袋叩きに──。
「謝罪文が殴り書きだったように、河村たかしは何が悪いのか理解できていないんでしょう。そもそも、後藤希友選手に対して、挨拶で“恋愛してるか?”“(身体が)大きいな”なんて平気で言ってしまうほど、デリカシーが低レベルなんです」(吉田さん)
女性蔑視的な失言が多かったことを考えると、世間の反応がわからないオジサンたちの失言からの災上は来年以降、もっと増えそう!? 彼らと比べれば、日本人をチャイニーズピープルと言い間違えたバッハ会長は可愛いものかもしれない。
「流行語大賞候補に、バッハ会長を揶揄する“ぼったくり男爵”がノミネートされたように、みんなどこかで苦々しく思っていたのでしょう(笑)。彼に対する日本人の底意地の悪い部分が“ぼったくり男爵”ノミネートという事実に見事に集約されている」(吉田さん)