ふたりの結婚観
高橋 久本さんは、周りにご友人や仲間がたくさんいて寂しくないから、結婚したいとも思わないんじゃないですか?
久本 ギクッ! それがいちばんの難点だって言われます(笑)。
高橋 結婚したいと思う人に出会えたら“そのときに結婚”って感じなんですよね。
久本 たしかに! そうだね〜。
高橋 私が若いころは、世の中としては「女性は23歳で結婚するもの」なんて思ってもいましたけど、私が実際その年齢になったら「こんなに仕事が楽しいのに結婚なんか」って、全然そんな気になりませんでした。周りには「まだ出会ってないのよ」と、ずーっと言われ続けて(笑)。
─ご家族から結婚してと言われなかった?
高橋 姉が結婚して子どもがいたので、家族からは、私は結婚しなくていいと言われていました。
久本 私はね、芸能界に入って家族から「この子、本気だな」と思ってもらえたときから、結婚の話題は減りましたね。22歳で東京に出てきて、26歳で劇団を立ち上げたあたり。まぁ、でも中には結婚しろって言い続ける人もいますよ。
40代後半で実家に帰ったとき、テレビを見ている私の横に父がそーっと座って、耳元で「子持ちのバツイチでもええで」と言って部屋を出ていったんです。そのとき「結婚相手の条件を変えてきた……!」って(笑)。
─高橋さんが、夫と一緒に暮らすうえで気をつけていることは?
高橋 束縛はしないようにしています。疲れちゃうし、いつでもどこでも合わせようとしない。結婚当初は、合わせようとしていましたけど。
久本 とはいっても、気は使うでしょ?
高橋 慣れますよ(笑)。
久本 へぇ〜! 慣れてみたーい(笑)。
高橋 結婚当初は、夫がどこでも一緒についてこようとしたり、1日に何十回も電話をかけてきたりしましたね。でも、だんだんそれもなくなりましたから、夫も慣れたんだと思います。
久本 誰かと一緒に暮らすうえで、束縛しないって大事なことだよね。私が妹と暮らしていたころは、お互い劇団員だったので忙しくて、衣装や小道具を作ったり、稽古以外にもやることが多くて……。
家は寝に帰るだけだったから、お互いに干渉しないで過ごしていました。大阪から出てきたばっかりで貧乏だったから、妄想だけで生きていました。“100万円あったらどうする? ”とか眠る前に聞いたりね(笑)。
高橋 わかる~!! 夢見てた!
久本 そういう青春時代って面白いんですよね。