「容疑者はたぶん10月18日に入寮してきたと思うよ。半月ごとに6000円が支給されるんだけど、1日当たり400円ぐらい使える。そのお金で、タバコを買っていましたね」

 喫煙時には独特なクセもあったようで、

「タバコを持っていないほうの手はポケットに突っ込んでいて、股間を触りながらモジモジ吸うのよ。あれはシャイだからやっちゃうんだろうな」

 容疑者は、別の入寮者Bさんに自身の生い立ちも語っていて、

「京都生まれで、“幼いときに父親をがんで亡くした。母親は首つり自殺をした”と言っていた。母親はネグレクト(育児放棄)で、1週間ご飯を与えてもらえなかったこともあったらしいよ。だから、食事に対する執着が人一倍強いんだとか。結局は母親から家を放り出されたので、養護施設で育ったと聞いた」

 さらには、容疑者は刑務所にいたことをにおわすような発言もしている。

「きっかけは忘れたけど、刑務所の話をしたことがあって。すると容疑者は“やめてくださいよ。思い出しちゃうから”って言ってたんだよね」

 ほかにも父親はチンピラで、祖父は京都にある暴力団の幹部だったとも語っていたという。大阪に住んでいたときはボクシングをやっていて、亀田兄弟とスパーリングしたことも自慢していた。

 大阪時代の容疑者の知人はこう話す。

「容疑者は、小学校も中学校もろくに行ってないと言っていましたね。窃盗、暴力団関係のクスリの売人、闇金、オレオレ詐欺となんでもやっていたみたいで、少年院や刑務所にも入っていたとか」

 闇金で取り立てる相手が女性の場合、

「身体で払ってもらうこともしばしばあったと吹聴していましたね。“だけど、オレは1回ヤッた女を2回はヤラない。風俗に売り飛ばす”とか言ってました。ほんとにヒドイやつだよね」(同・知人)

「祖父が暴力団幹部」もウソ

 だが“山田容疑者の言うことはほとんどウソだ”と話すのは、大阪で犯罪者の社会復帰支援活動を行っているCさんだ。何らかの罪を犯して少年院に送致されていた容疑者。出所後、塗装業の仕事で手に職をつけさせたのがCさんだった。

「彼は悪ぶっているだけで、中身は小心者なんです。母親の自殺、祖父がヤクザの幹部はみんなウソ! ボクシングもやっていたなんて一度も聞いたことがない」

 ただ、父親を早く亡くしたことは本当のようで、

「母親が若年性の認知症だったため、子育てができなかったと聞いています。ウソを重ねて自分を大きく見せようとしていたんじゃないかな。そうじゃないと、生きてこられなかったのかもしれません」(Cさん、以下同)