トー横界隈によく出没するというBさん(20代、学生)が一部始終を語りだす。

「氏家さんとはよく路上で飲み交わす仲でした。事件があったのは、11月の半ばくらいでしょうか。千葉県の木更津を本拠とする暴走族の少年グループがある日、歌舞伎町に乗り込んできたんです」

 いつもどおり、広場で若者と話していた氏家さん。

「ひょんなことから木更津のグループと歌舞伎町のグループとの抗争が始まってしまったんです。そのときに氏家さんが木更津のグループに目をつけられた」(Bさん、以下同)

壮絶なリンチを受けて…

 公園に連れていかれた氏家さんはボコボコに殴られたうえ、ウイスキーのボトル2本を無理やり飲まされた。

 気を失っている氏家さんを見つけたBさんは、すぐに警察と救急車を呼んだのだが。

「木更津のグループが捕まることはなく、氏家さんは目白にある病院で2週間、入院することになりました」

リンチを受けて入院していた被害男性。退院直後も顔がパンパンにはれていた(知人提供)
リンチを受けて入院していた被害男性。退院直後も顔がパンパンにはれていた(知人提供)
【写真】リンチを受けて入院していた被害男性。退院直後も顔がパンパンにはれて…

 退院後も歌舞伎町に戻ってきた氏家さんだが、たびたび現れる木更津のグループからその後も呼び出されては、集団リンチをされるようになったという。

 そしてとうとう11月27日、悲劇が起きてしまった。

 逮捕された4人について事情を知る歌舞伎町関係者によると、

「逮捕された少年2人のうち1人は木更津のグループの少年だったようです。しかしほかの3人は歌舞伎町の“住人”だった。関口容疑者はもともと、氏家さんと親交のあったトー横界隈のグループの一員でしたし、亀谷容疑者もトー横を仕切る中心人物でした」

 氏家さんと容疑者との接点については、

「関口容疑者はトー横で弁当を配るなど氏家さんとも面識があったはずなのですが、なぜ今回のようなトラブルに発展してしまったのかわかりません……」(同・歌舞伎町関係者)

 居場所を失い、歌舞伎町へと流れ着いた子どもたちの支えとなっていた氏家さん。少年らにリンチされる日々が続く中、最後まで歌舞伎町を離れることはなく、最期を迎えてしまった……。